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2014/12/11

宇宙飛行士の古川聡さん(@Astro_Satoshi)にお目にかかりました。


Tokyo FMのスタジオに、古川聡さん(@Astro_Satoshi)がいらした。

私がホストをつとめる、Dream Heartのゲスト。

国際宇宙ステーション(ISS)に5ヶ月半滞在した、古川さん。

お話していると、普通の人とまったく異なる、何かを感じた。

何だろう、と思ったが、結局、言葉では伝えられない、ある体験をしたということ以外にないと気付いた。

国際宇宙ステーションでは、いつも、頭の上の方に地球が見えていて、それが、この上なく美しかったのだという。

最初は、日本が、見えた、フランスが見えた、とさまざまな地域を国でとらえていたが、そのうちに、一つのつながりとして、地球を見るようになる。

一日、16回、明るくなったり暗くなったりを繰り返す。それでも、グリニッジ標準時で生活しているうちに、やがて、明るくなったり暗くなったりする中で、ちゃんと夕方には眠くなる。

無重力状態で、壁を押して進もうとすると、ちゃんと重心をつかないと、くるくる回ってしまう。重心をつくには、コツがいる。

地上に降りた今も、ときどき、無重力状態の身体感覚が戻ってくるのだという。

今まで、宇宙飛行士になった地球人は、500人程度。

ごくわずかな人だけが体験した、地球外のできごと。地球の見方、生きるという感覚、宇宙とのつながり。すべてが違ってくるのだろう。

宇宙飛行士になるための、厳しい訓練。ソユーズで往還するための、ロシア語による授業。海中に沈められたコンテナの中で、一週間作業をする訓練。ありとあらゆる事態に備えて、二重、三重の安全基準で、操作ができるようにしておくこと。それでもあり得るリスクに対して、冷静沈着に対応できること。

この方は、私たちが想像するしかない、何かを経験してしまった、そのようなことを感じさせる、古川さんのお話、表情、そして、たたずまい。

古川さんもお読みになったという、立花隆さんの『宇宙からの帰還』にもあるが、宇宙に行くことで、人は存在の根底から変わる。

現在は古川さんをはじめとするごく少数の開拓者だけが見ている新世界が、やがて、人類を変貌させていくだろう。

私も、いつか、宇宙から地球を眺めてみたい。無重力の中に、自分という身体を置いてみたい。また、古川さんにお話を伺う機会があればと思う。古川聡さん、ありがとうございました。


Astrofurukawa20141210small


12月 11, 2014 at 07:48 午前 |