レコーディングダイエットというものは、そうやって自分を納得させるのだな
飛行機を降りて、出ていったら、赤上亮さんの長身が見えた。
「有吉さんも、同じ飛行機のはずだったのですが」と赤上さん。
どうやら、次に来る最終便に乗っているらしい。
しばらく待っていると、有吉伸人さんの笑顔が見えた。
移動の車の中で、有吉さんと話し始める。
「茂木さん、痩せました?」
「ええ、夏から、8キロくらい。」
「ぼくも6キロ痩せたんですよ。」
「えっ、有吉さん、凄い、どうやったのですか?」
「いわゆるレコーディング・ダイエットです。」
有吉さんによると、食べたものをカロリー計算して記録するのだという。
「一ヶ月で一キロずつやせるはずが、二キロずつやせて六キロ減になりました。」
凄いすごい! やる時はやるなあ!
有吉さんと言えば、『プロフェッショナル 仕事の流儀』のチーフプロデューサー時代、ご飯を食べる際、鶏の唐揚げが好きで、みんなの分とは別に、有吉さんだけのお皿を一つ注文すると、あっという間に食べてしまうのだった。
「じゃあ、最近は、鶏の唐揚げは?」
「食べませんよ!」
そうか、有吉さんは、鶏の唐揚げを食べない有吉さんになっているのか!
NHK松山放送局に着き、ディレクターの高比良健吾さんと打ち合わせ。
終了後、橋本典明さんも加わって、懇談した。
橋本さんは、かつてロンドンにも駐在されていて、有吉さんとは、サッカーつながりなのだという。
ぼくは、有吉さんが鶏の唐揚げを食べない、というのがどうも信じられなくて、実験してみることにした。
店員さんに、「あと一つ、鶏の唐揚げをお願いします!」と頼んで、来たら有吉さんの前に置いてみた。
そしたら、有吉さん、間髪入れずに、数秒後にはもう食べ始めている。
うふふ。やっぱりな。
レコーディング・ダイエット、粉砕。
赤上さんが、有吉さんに言っている。
「『プロフェッショナル 仕事の流儀』を立ち上げた時、有吉さんて、41歳だったんですよね。」
「ああ、そうですねえ。」
「ぼくも、来年、41歳になります。がんばらないとなあ。」
橋本さんが、だまって頷いている。
そんな話をしながら、ふと有吉さんの前を見ると、鶏の唐揚げが、いつの間にか、全部消えている。
あ〜あ、食べちゃった。
有吉さんのレコーディングダイエット、鶏の唐揚げで、粉砕される。
ところが、有吉さん、ふふふと余裕で笑っている。
「見てください、茂木さん、皮、ちゃんと残してあるんだよ。」
ほんとだ。鶏の唐揚げの皮が、有吉さんの前の小皿に残っている。
しかし、よく見ると、それは、どう見ても「申し訳」程度で、唐揚げのごく一部の皮を、そこにちょこんと置いただけだった。
あとは、全て、有吉さんのお腹の中。
つまり、レコーディングダイエットというものは、そうやって自分を納得させるのだなとわかった、松山の夜であった。
(写真は、好物の鶏の唐揚げを前にご満悦の、有吉伸人さん。)
12月 6, 2014 at 07:01 午前 | Permalink
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