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2014/12/06

レコーディングダイエットというものは、そうやって自分を納得させるのだな

飛行機を降りて、出ていったら、赤上亮さんの長身が見えた。
「有吉さんも、同じ飛行機のはずだったのですが」と赤上さん。
 どうやら、次に来る最終便に乗っているらしい。


 しばらく待っていると、有吉伸人さんの笑顔が見えた。

 移動の車の中で、有吉さんと話し始める。

 「茂木さん、痩せました?」
 「ええ、夏から、8キロくらい。」
 「ぼくも6キロ痩せたんですよ。」
 「えっ、有吉さん、凄い、どうやったのですか?」
 「いわゆるレコーディング・ダイエットです。」
 有吉さんによると、食べたものをカロリー計算して記録するのだという。
 「一ヶ月で一キロずつやせるはずが、二キロずつやせて六キロ減になりました。」

 凄いすごい! やる時はやるなあ!

 有吉さんと言えば、『プロフェッショナル 仕事の流儀』のチーフプロデューサー時代、ご飯を食べる際、鶏の唐揚げが好きで、みんなの分とは別に、有吉さんだけのお皿を一つ注文すると、あっという間に食べてしまうのだった。

「じゃあ、最近は、鶏の唐揚げは?」
「食べませんよ!」

 そうか、有吉さんは、鶏の唐揚げを食べない有吉さんになっているのか!

 NHK松山放送局に着き、ディレクターの高比良健吾さんと打ち合わせ。
 終了後、橋本典明さんも加わって、懇談した。
 橋本さんは、かつてロンドンにも駐在されていて、有吉さんとは、サッカーつながりなのだという。

 ぼくは、有吉さんが鶏の唐揚げを食べない、というのがどうも信じられなくて、実験してみることにした。

 店員さんに、「あと一つ、鶏の唐揚げをお願いします!」と頼んで、来たら有吉さんの前に置いてみた。

 そしたら、有吉さん、間髪入れずに、数秒後にはもう食べ始めている。
 うふふ。やっぱりな。

 レコーディング・ダイエット、粉砕。

 赤上さんが、有吉さんに言っている。

 「『プロフェッショナル 仕事の流儀』を立ち上げた時、有吉さんて、41歳だったんですよね。」 
 「ああ、そうですねえ。」
 「ぼくも、来年、41歳になります。がんばらないとなあ。」
 橋本さんが、だまって頷いている。

 そんな話をしながら、ふと有吉さんの前を見ると、鶏の唐揚げが、いつの間にか、全部消えている。
 あ〜あ、食べちゃった。
 有吉さんのレコーディングダイエット、鶏の唐揚げで、粉砕される。

 ところが、有吉さん、ふふふと余裕で笑っている。
 「見てください、茂木さん、皮、ちゃんと残してあるんだよ。」
 ほんとだ。鶏の唐揚げの皮が、有吉さんの前の小皿に残っている。
 しかし、よく見ると、それは、どう見ても「申し訳」程度で、唐揚げのごく一部の皮を、そこにちょこんと置いただけだった。
 あとは、全て、有吉さんのお腹の中。

 つまり、レコーディングダイエットというものは、そうやって自分を納得させるのだなとわかった、松山の夜であった。

 (写真は、好物の鶏の唐揚げを前にご満悦の、有吉伸人さん。)


Ariyoshi20141205_2


12月 6, 2014 at 07:01 午前 |