散歩。
久しぶりに浅井愼平さんにお目にかかる、その場所までの10キロほどの道を、100分くらいかけて、歩いていった。
歩かないと見えてこないものがある。東京の街は、一つ道路を入ると、驚くほど表情が違っていて、よく知っていると思っていたエリアも、新しい発見があったり、しばらく来ない間にめざましい変化があったりする。
新宿の手前の川のあたりで、大規模開発の工事が進行中のところがあり、さて、ここは、前はどんな景色だったかしら、と記憶をたどった。「営業しています」との看板が。工事のあれこれで、お客さんがよくわからなくなってしまったのだろう。
都庁のところに来た。庁舎と、議会の間の道を歩いた。
丹下健三さんの設計だが、その元々の構想では、この道路はなかったのだと聞いたことがある。それを耳にした時、初めて腑に落ちたように思った。
もし、道路がなかったら、都庁舎と、議会の間に、一つの公共空間ができあがる。ちょうど、ヨーロッパの広場のように。ミュンヘンの市庁舎前のような、人々の憩いの場ができていたはずなのだ。
歩いていると、そのような巨大なニュアンスから、小さなささやきまで、いろいろなものに出会って、その景色が次第に薄暮に包まれていく時間の流れを、まばゆい光の建物の方に向かうと、そこに、浅井愼平さんの、素敵な笑顔があった。
11月 25, 2014 at 07:01 午前 | Permalink
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