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2014/11/03

沖縄の大地

行きの飛行機は、寄席を聴きながら、ずっとうとうとしていた。
 おそらく、たっぷりと2時間くらいは、温泉でゆったりとまどろんでいるような感じになっていたのではないかと思う。

 那覇空港は、修学旅行の学生でいっぱいだった。ぼくは、トイレに入って、白シャツと黒ジャケットに着替えた。

 送られてきた予定表には、空港から辺野古に行くとあった。いったいどのような服で行けばいいのかと、なんとなく考えこんでしまって、それで、結局は着替えた。

 辺野古は、ごくふつうの海辺だった。しかし、沖合に赤い線があって、そのあたりが埋め立てられるのだという。
 テントがあって、そこに何人かのひとたちが座り込みをしていた。
 一方、少し離れたところに、黒い街宣車が来ていて、ずっと軍歌を流していた。

 座り込みのリーダーの方とお話しした。初めて認識したことが二つあった。
 一つは、沖縄は台風がくると浜辺はたいへんで、誰も近づかない。10メートルの高さで盛り土をするというけど、それでだいじょうぶかということ。
 もう一つは、辺野古のあたりは、海が深くて、軍艦が寄港できる。つまり、単純なる移転ではなく、新しい基地の建設であると。

 海を見ているうちに、ふしぎな気持ちになった。テントと街宣車が、一つの風景の中に溶け込んでいる。
 
 ほんとうは、沖縄の大地は、異なる立場の人たちを、すべて受け入れるくらい、それくらい大きいのだろう。
 人間たちはしかし、つい、意見の違いをそのまま「壁」にしてしまう。

 帰りの飛行機は、また、寄席を聴きながらうとうとしていた。
 水が漏れる茶碗が千両になる「はてなの茶碗」。私の大好きな、上方のナンセンス噺。
 中で、天子さまが、「万葉仮名」で「はてな」と書かれるという話がある。
 さて、万葉仮名では、「はてな」とはどう書くのだろう、と思っていたら、いつの間にか羽田の光が見え始めた。

11月 3, 2014 at 07:11 午前 |