昔の人は偉かった。
仕事で、群馬県の伊勢崎市にある境町駅付近に行かなければならなかった。
ネットで調べると、乗り換えがかなりたいへん。両毛線などを使って、がったんごっとん行かなくてはならない。
商売柄、昼下がりのローカル線は、時々困ったことがあって、特に、下校時の高校生の集団なんかに見つかると、意外と面倒な時間が訪れたりする。
困ったなあ、と思って、しばらく地図を眺めていたら、良いことを思いついた。
そうだ、埼玉県の早稲田本庄駅までは、新幹線で行ける。
そこから、利根川を超えて、境町駅まで歩いていけばいい!
幸い、ある程度、時間があった。
即、実行。本庄早稲田駅から、てくてく、途中、利根川の雄大な景色を眺めながら、折々にぼんやりとたたずんだりして、4時間10分かけて、歩いていった。
利根川の流れの中には、腰までつかって釣りをしている人がいた。
いいなあ、大きな空、広々とした大地。
境町駅に着いたときには、とっぷり日が暮れていた。この上なくぜいたくな午後を過ごしたように思った。
「本庄早稲田から、歩いてきました」と言ったら、相手方は大いに驚いていたが、考えてみると、昔の旅人はもっと長い距離を歩いたのだろう。
昔の人は偉かった。
よく言われることだけれども、私たちは、ふだんの文明の生活で、命のスペクトラムのほんの一部しか使っていないことを、時々思い出してみる。
10月 1, 2014 at 07:20 午前 | Permalink
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