今度入るコンビニの店員さん、言い間違えしなければいいな。
今朝、コンビニに行くとき、ぼくは、小銭を使う気が満々だった。
ポケットの中に、コインがじゃらじゃら、たくさん溜まっていたからである。
時々、そういう「波」が来るよね。面倒なのでお札出して、小銭がどんどんたまって、自販機で使ったりするけど、一円玉、五円玉がたまっていって。
朝ごはんのサラダ、フルーツ、それにヨーグルトをカゴに入れて、レジに立った。
アルバイトの女の子が、ピッ、ピッ、と、商品を通していく。
やがて合計が出る。
444円。
ラッキー! 1円玉を使えるし、少なくとも、100円玉4枚、10円玉4枚を使える。うまくすると、5円玉も使えるかもしれない。
意気揚々と、ポケットの中のコインに、手をつっこんだ、その時である。
「440円になります。」
は?
今、確かに、女の子、「よんひゃくよんじゅうえん」と言った。「よんじゅう」のあとの、「よえん」がなかった。
時々ありますよね。コンビニの店員さんが、額を勘違いして言うこと。一ヶ月に一回よりも、もっと頻繁にあるかもしれない、人間の認知的ミス。
ところが、この言い間違えで、ぼくは、ビミョーな心理状態に置かれたわけさ。
だってさ、おかしいじゃん。店員さんが、はっきり、滑舌良く、しかもさわやかに「440円です」と言っているのに、ぼくが、いそいそと、1円玉を4枚出して、「444円」にするの。
女の子だって、ぼくが「444円」出して、レジの表示と見比べた瞬間に「はっ」として、自分が言い間違えたことに気付いて、恥ずかしいという思いをするかもしれない。
どうしよう。ポケットの小銭を使いたい気持ちと、言い間違えしちゃった女の子に、気まずい思いをさせたくないなあ、という気持ちと。
気持ちと気持ちが、じゃんけんするわけさ。
それにしても、刹那の間に、人間はいろいろなことを考えられるものなんだね。
気がつくと、ぼくは、500円玉を一枚出していた。
「56円のお返しになります」
女の子が、おつりをくれた。ぼくは、50円玉が一枚、5円玉が一枚、1玉が一枚増えたポケットをじゃらじゃらさせながら、朝の街を歩いていった。
いいんだ、これで。
口笛は、別に吹かなかった。
思いは、ただ一つ。
今度入るコンビニの店員さん、言い間違えしなければいいな。
9月 28, 2014 at 07:23 午前 | Permalink
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