博士の異常に深い愛情 (園子温、藝人デビュー!)
座・高円寺のカフェで本の取材を受けていたら、時計を見て、なんだかドキドキしてきてしまった。
もう少しすると、水道橋博士と園子温さんのライブが始まる。園子温さん、藝人デビュー。近くにいた弟子の植田工に、「おい、オレわくわくしてきたぞ」と言った。
入場する時、博士がレギュラーをやっているNHKラジオ「すっぴん」のインタビューを受けた。
「いやあ、わくわくしますねえ。お笑いの新ネタは、練習ができない。受けるかどうかわからない。外科医が、練習なしでいきなり手術をするようなものなんですよね。」
外科医うんぬんは、アメリカのコメディアン、サインフェルドの言葉だ。
始まった。前半はトークショウ。園子温さんは、信じられないくらい珍妙かつ胸アツのエピソードが多い。そのバカぶり、無防備ぶりは、すでに藝人仕様。東京ガガガ。やくざの娘に呼び出されて組事務所に行った話。スフィンクスの問いかけ。生か死か。
客席は大いに沸き(近くに「電波少年」の土屋敏男さんの金髪が見え、倉本美都留さんのひげ面が笑っていた)、それだけでも満足だったが、博士は、「後半はネタをやります!」とハードルを上げる。
休憩を挟んで後半のネタは、さらにパワーアップ。園子温さんが、漫才をしながら上半身を揺らす、その仕草がなんともラブリーで、終演後博士も言っていたけど、藝人としてさまになっていた。園さん、デビューおめでとう!
最後にホリエモンが登場することは、事前に博士に聞いていた。もちろん水も漏らさぬ情報管理(植田工にはちょっと言ったけど)。
お土産に出た「スペシャル・アイテム」は、ぼくの分も、その植田にあげた。おい植田、あれはプライスレスだからオブジェとしてとっておいて、決して「使用」するなよ!
明かされた園子温さんのチャレンジの理由がすばらしかった。北野武は世界的映画監督であり、しかしビートたけしは「コマネチ!」をやるお笑い藝人である。ヨーロッパの文化人は、「キタノ」と「ビートたけし」が同一人物であることが信じられないという。笑わせるな、そこが日本文化の奥深さよ! だから、園子温さんも、世界的映画監督であるソノシオンと、藝人園子温に分裂するのだ!
分裂、そして合体っ! 園子温映画、これからますまずパワーアップして爆発するであろうゾ!
さてさて、まだまだ続くオンステージ。
「藝人園子温」は、最後は全裸で股間に天狗のお面をつけて登場、ホリエモンとボクシングをしてしきりにローブロウを狙われても、天狗はしっかりとぶら下がったままだった。
もっとも、植田工によると、さりげなく天狗の下に肌色のパンツをはいて、「アクシデント」を防止していたようだけれども。んー残念。いや、ほっとした!
終演後、外に出てきたら、またまたNHKラジオ「すっぴん」のインタビューを受けた。
「いやあ、新しいことに挑戦する、これほど人の胸を熱くすることはありませんね。園子温さんの勇気ある挑戦に、大拍手! そして、水道橋博士が、藝人としてはいろいろ思いがあるだろうに、園さんの挑戦を支えた、その心遣い、心意気。『博士の異常な愛情』という映画がありましたが、『博士の異常に深い愛情』を感じましたっ!」
園子温さん、水道橋博士、たくさんの勇気と、深い愛と、心の元気をありがとう!
5月 1, 2013 at 08:24 午前 | Permalink
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