人生のほとんどは、ゴミとなる。
昨日、学生たちに手伝ってもらいながら、研究室の掃除をしながら思ったこと。
人生のほとんどは、ゴミとなる。
その時には意味があると思っていたり、価値があると思っていたことも、10年、20年経つと、単なるゴミとなって忘れられる。
本や論文もそうだよね。たいていのものは、ゴミとなる。
ぼくが本を書き始めたときに、編集者が、「ベストセラーよりも、長く読み継がれるロングセラー」と言っていた理由は、今となったらよくわかる。
物故作家は、とたんに売れなくなるんだそうだ。夏目漱石とか、太宰治とか、ずっと読み継がれる作家は、奇跡のようなもの。
その時々に、勢いのある人とか、話題になるものとか、ベストセラーになる作品とかあって、それはそれで生命の花火がぱっと咲く感じでいいけど、結局はゴミになるんだよね。たいていの場合。
大掃除の途中、となりの部屋のフランク・ニールセンと目が合った。彼はフランス人だが英語で会話する。
「ケン、掃除たいへんだな」とフランクが言ったから、「ああ、ぼくの人生の99%は、ゴミだということがわかったよ」と言ったら、フランクが、「誰でもそうじゃないかな」と言った。
彼の専門は数学だ。永遠の、人間精神の名誉のために。
日々、生命の花火をぱーっと咲かせる中で、ほんの少しだけ、5年後、10年後のことを考えられたらいいね。
5月 3, 2013 at 09:11 午前 | Permalink
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