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2013/04/22

タオルたちはどこに行った? Where have all the towels gone?

 昨日ホノルルに着いて、ホテルにチェックインする時に、「プール」って書いてあったから、しめた!と思った。
 
 それで、今朝ごはんを食べてたら、そのレストランの横にプールがあった。ダイヤモンドヘッドが見える水面。
 
 カピオラニ公園を走っているときに、だんだん暑くなってきて、そうだ、プールで泳いでやろうと思った。

 時間はさかのぼる。
 朝ごはんを食べているときに、プールへの入り口のあたりに、ふかふかの白いタオルがたくさん置いてあった。
 それで、そうか、タオルは持ってこなくてもだいじょうぶなのだと合点していた。

 ランニングから部屋に帰り、さっさっさとプールに降りていった。
 プールは、あまり大きくなくって、小さな子どもの先客がいて、きゃっきゃっ言いながら飛び込んでいた。

 水に入ると、静かな時間が流れていく。世界は消えて、もう一つの呼吸が現れる。

 ぼくは、対角線をつかって平泳ぎをした。何回も何回も平泳ぎをした。

 もうそろそろ上がろうと思って、タオルの方に歩いていったら、タオルがない。朝、あれだけ積み上げられていた、タオルがない。

 ふしぎだった。ぼくが泳いだのは、午前8時50分頃。プールオープンは、午前8時。人が少ないし、そんなに早くタオルがなくなるはずがない。

 どうやら、最初から部屋のを持っていくシステムになっていて、あの時、たまたまタオルが積んであったらしい。

 タオルたちはどこに行った? Where have all the towels gone?

 ジョン・バエズの歌声が頭の中で聞こえる中を、ぼくはアロハシャツを着て、仕方がなく水がしたたるバカ男のままエレベーターに向かった。

 ドアが開く。
 きゃぴきゃぴのアメリカ人の女の子が数人乗っていた。うわっと思った。
 幸いにして、彼女たちはそのフロアでみんな降りていった。朝ごはんにいくのだろう。

 気になるのは、通り過ぎる時、一人の女の子が(きっとキャシーじゃないかと思う)ぼくのことを「なにこれ!」とばかり、じろりと眺めていたことだ。

 一人で自分のフロアまで上がった。部屋に戻って、鏡で姿をみてぎゃっと叫んだ。

 そこには、怪奇水びたし男が映っていたのである。
 
 ざんばらばらばらぐわあの髪の毛が、私という存在の何らかの本質的うかつさを雄弁に表現しているようにも思えた。

4月 22, 2013 at 04:29 午前 |