どの島だろう?
ホノルルからの飛行機は、博多行きだった。
うとうとしてはっと目が覚めて、窓を開けたら、海岸線が見えた。まだ、博多の到着時間までは二時間もある。
はて、どの島だろう。ずっと続いているから、案外大きな島のようだ。太平洋上に、こんな島、あったっけ?
思わず、アテンダントの方に聞こうかと思った。
そこで、はっと気づいた。これは、島は島でも、本州という島だ。日本に帰ってきたのだ!
その瞬間、自分でも驚くほど、感動していた。
成田や羽田に帰る時は、海岸線が見えてくるのは、着陸の直前である。博多に行くときには、それよりもずっと前に、日本上空に来る。だから、気づかなかったのだ。
やがて、本当に美しい富士山の姿が見えてきた。後ろに、アメリカ人がいたから、教えてあげたら、彼は「ワオ! ありがとう!」と言って、夢中になって写真を撮っていた。
博多に向かって降下していったのは、ちょうど夕暮れ時だった。海面のテクスチャが独特だった。やがて、街が見えてきた。はっきりとわかるくらい、地上の灯りが一つひとつ点り、ゆらゆらと揺れた。手をのばせば届くような、生命のふるえがそこにはあった。
荷物を受け取り、出ていくと、中尾さんとハッシーがにこにこ笑いながら待っていた。
温かく、印象的な、ホノルルからのフライトだった。「どの島だろう?」と思った瞬間のセンス・オブ・ワンダーの残照に包まれたまま、私はホテルへと向かったのである。
4月 26, 2013 at 06:34 午前 | Permalink

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