おじいちゃん、元気。
コンビニで、レジに行こうとしたら、横の方から、おそらく年齢が70歳くらいの白髪の男性がやってきた。
タイミングがぶつかるような感じになって、あっ、どうぞと譲ったら、何か必要以上に遠慮なさって、それでも結局先にレジに行かれた。
自分の買い物を持って立っていると、自然にレジの台の上が見えるようなかたちになる。見ようと思ったわけではないのだけれども、つい見えてしまったら、何やら小物一つと、雑誌を買っている。
レジの係の人は、小柄な女性で、その雑誌にはヒモのようなものがかかっていて、女性が慣れた手つきでさっさっさとヒモを外していた。
それで、別に見ようと思ったわけではないのだけれども、その表紙に、黒いタイツをはいた女の人の足がたくさん写っていたりしたので、ああ、そういう雑誌なんだ、とわかった。レジの女の人は、こういう時には無表情でこともなげに作業をするものなんだ、ということもわかった。
さっき、レジに先に行くことを何か必要以上に遠慮されたこととか、その時の微妙な身体の表情が思い出されて、春だなあ、人間だなあ、おじいちゃん、元気だなあと思った。
元気なおじいちゃんは、コンビニの前に止めた車に乗って、そそくさと帰って行かれた。
その一連の体験で思い出したのが、映画『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』で、イングマール少年が、寝たきりのおじいさんに頼まれて、あるカタログの説明文を読まされるシーンなのだけれども、あれは心温まる場面だと思う。
おばあさんが来る気配がすると、おじいさんはさっとそのカタログをベッドの下に隠してしまうのだ。
そして、イングマール少年がたどたどしい口調で朗読をすると、目を閉じて横たわり、うっとりとした表情を浮かべるのである。
4月 7, 2013 at 09:39 午前 | Permalink
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