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2013/04/12

アムスに何があるというのだ。

 成田空港の税関では、たいてい余りものを聞かれない。

 パスポートを見て、「お仕事ですか、おつかれさまです。」と言うだけである。

 ところが、今朝は違っていた。税関申告書に、搭乗地アムステルダムと書いた。それで、並んだら、なんだかいつもと違う感じになっている。

 「えーと、アムステルダムから乗られたのですか?」
 「はい、そうです。」
 「おひとりで?」
 「はい。」
 「アムステルダムに、お一人で?」
 「はい。」
 なんだか、気のせいか、係員の方の顔が曇っていくような気がする。長身で、眼鏡をかけた、まじめそうな方だった。
 「滞在されたのが、アムステルダムなのですか?」
 「いいえ。ミラノです。イタリアです。アムステルダム経由で来たのです。」
 私が滞在していたのが、イタリアだ、と聞いた瞬間、まるで魔法のように、係員の方の顔が明るくなった。
 「イタリアですか!」
 まるで、その言葉に、北方の土地の霧を晴らし、地中海の明るい陽光をもたらす秘密があるように、一気にすべてが変わった。
 「お疲れ様でした!」
 パスポートが返された。私もほっとして税関を通る。
 外に出ながら思う。それにしてもなぜだ。アムステルダムに、何があるというのだ?

4月 12, 2013 at 10:08 午前 |