必殺技がない男、植田工。
弟子の植田工(植田工、ツイッターアカウント@onototo)は、アーティスト、表現者として食っていきたいと思っているから、何か「必殺技」を身につけなければならない。
ところが、困ったことに、今植田工が持っている必殺技は、人様に「公開」できないものなのである。
それは、私がのろのろと時々思い出したように書いている愛と感動の青春小説『東京芸大物語』(仮)でも同じで、植田のおもしろエピソードの核心を、そのまま書いていいのか、大いに迷う。小説が18禁になってしまかもしれない。
植田工を知っている人は、誰でも、彼の「必殺技」を思い浮かべるだろう。それは、一連のそれなりにディープな世界観につながっているのであるが、地上波テレビはもちろん、良識ある人たちの前ではなかなか「公開」できないという悲しい宿命の下にある。
植田工は、なまいきにも、NHKのディレクター職を受けて、最終面接まで行ったらしいが、やはり「必殺技」に言及してしまい、「うちではそういうの放送できないんですよね〜それ、わかっていますか?」と聞かれ、「わかっています」と言った瞬間に、「おつかれさまでした」と面接が終わってしまったという青春の悲劇がある。
アーティストとして、表現者として、陽の当たる坂道を歩ける必殺技がないことが、植田工の大いなる悩みであろう。
さらに、これは案外知られていないことだが、植田工は、半径五メートルの周囲の女の子が、「きゃあ」といって逃げていく「必殺技A」に対して、半径五メートルの周囲の女の子が、「きゃあ」といって逆に寄ってくる「必殺技B」も隠し持っているのである。
ところが、この、必殺技のいわば「B面」もまた、ある「大人の事情」によって一般には公開できないのである。
つまり、植田工は、自分が持っている必殺技二つが、どちらも表現者としては役立たないという苦境に置かれているのだ。
必殺技がない男、植田工。
これから、植田は、どこに行くのだろうか。嗚呼。

植田工氏。
4月 8, 2013 at 08:07 午前 | Permalink
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