« ずっと、飽きずに、金家を見ていた。 | トップページ | 「イエス!」の兄ちゃん。 »

2013/03/23

突然の花見

 チェゴヤでごはんを食べた。田森佳秀が、金沢から来ていて、食事を終えると、クスリをたくさん並べた。

 電話に出たら、ドワンゴからだった。戻ったら、みんな食事を終えていたので、出ようか、と言った。

 ゼミを始めようと、研究所のビルまで来たら、横の広場の桜がきれいだったので、気が変わって、「おい、花見しよう」と言った。

 それで、公園の、ぐるりと円形にあるベンチや、その前の石床に座って、飲んだ。ほんとうによく晴れていて、ぽかぽかと温かく、最高の花見だった。花見というものは、花を最初だけちらっと見て、そのあとは忘れてしまうというのが通例になりがちだけれども、実際に花々をよく見た。青空に映えて、きれいだった。鳥たちが来ていた。

 最初は、少しだけ花見をして、それからみんなで論文の輪読を始めようと思っていたけれども、あんまり気持ちがいいものだから、もうどうでもよくなってしまった。

 思うに、花見というものは、この日にこの場所でやるからみんな集まれ、という風に普通はやるものだけれども、それだと、その時にどんな天気であるか、周囲の様子はどうか、何よりも、花がどうなっているかがわからない。

 ところが、私たちに起こったのは、奇跡のような時間の日だまりだった。歩いていて、あんまり太陽がぽかぽかして、花がきれいだったので、思わずここにいたい、と感じたわけで、それは、正真正銘、突発的なことだったのだ。

 すべての花見の中で、最上のものは、「突然の花見」だと思う。

 やがて日が傾き、誰かがバドミントンをとってきて、シャトルを飛ばしながら笑った。天真爛漫が花びらから私たちに移った。「そろそろカルチャーセンターに行かなくちゃ」と我に還った時には、私は、ずいぶんと桜の精たちと仲良くなっていた。

 駅に向かって歩きながら、「ああ、今年の花見は、これだったのだな」と思った。

 今朝のニュースで、「気象庁は昨日東京の桜が満開になった」と言っている。感覚を通してとっくに知っていたことが追認されたような、ふしぎな気持ちになった。

3月 23, 2013 at 07:57 午前 |