田森佳秀、謎のプログラム開発遅れの真実!
今回、Society for Neuroscienceで、田森佳秀と共同研究の発表をする。
その上では、一つ不思議なことがあった。田森に、あるプログラムの開発の分担を頼んだのだが、コンピュータについて、異常な才能と集中力を見せる田森が、珍しくなかなかプログラムを仕上げて来なかったのである。
おかしいな、よっぽど忙しいのかな、と思いながら、結局、他の方法でデータを集めて、今回の発表はだいじょうぶな形になった。
ニューオリンズに来て、田森とごはんを食べていたら、ようやく、今回の「プログラム開発遅れ」の真実がわかった。それは、案の定、私が想定していたのよりもはるかにディープで、複雑な話だった。
夕食の時、田森が突然、「プログラム遅れてごめんね」と言った。
「ううん。」
「あれさ、Google appsを使ったのが、失敗だったんだよね。」
「そうなんだ。」
「あれ、バグだらけでさ、結局、自分でシステム構成をするような羽目になった。」
「えっ。」
「こんな動作をするはずがない、おかしいな、と思って、英語のヤフー知恵袋みたいなのを検索したら、みんな、おかしい、こんな動作をするはずがないとか、文句言っているんだ。」
「・・・」
「それで、どんな誤動作をするのか見るために、適当な文字列を打って、それでどんな返答があるか見て、内部の状態を推測していた。」
「・・・・」
「最初から、自分でサーバーを構築すれば簡単だったんだけど、Google apps だと、サーバー提供してくれるじゃない。それは便利だ、と思って使い始めたのが、失敗だった。」
「・・・・」
「でもさ、思うんだけど、Google apps、だいじょうぶかな。あれだと、社内の事情を良く知った人じゃないと、つかえないと思うよ。」
「・・・・」
我々がつくろうとしていたのは、あるウェブ上の実験環境だったのだけれども、それをつくろうとして、Google appsのシステム構成の一番深いところまで入って行ってしまうのが、田森佳秀という男なのである。「適当な文字列を打って、それでどんな返答があるか見て、内部の状態を推測」するのが田森佳秀なのである。
そして、Google appsのことを心配する。あのねえ、ぼくたちがやりたかったのは、ウェブ上の実験環境をてっとりばやくつくることだったのであって、Google appsの仕様のことを心配することではなかったんじゃ、とう突っ込みは、田森佳秀には通用しない。
何か始めると徹底的にのめり込んでいく。田森佳秀は、そんな男なのである。
↓ 昨年のSociety for Neuroscience での発表の様子。今年は、slide presentation (talk)です。
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10月 14, 2012 at 10:45 午後 | Permalink
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