わが親友田森佳秀、ニューオリンズでも大騒動の巻!
わが親友田森佳秀は、異様に「単位時間あたりのトラブルの数」が多いことで知られている。
一足先にニューオリンズに着いた田森佳秀だが、案の定、さまざまなトラブルに巻き込まれていた。
まず、これは日本にいる時から知っていたのだが、auの携帯の充電器を忘れてきてしまった田森は、仕方がなく、充電器を「自作」したのだった。
「いやあ、クリップで端子つくったんだよ。でも、放っておくと、クリップと端子がずれてきちゃうじゃないか、だから、うまく、携帯の重みでクリップがたわむようにして、それで接触が続くようにしたんだ。」
アメリカに来て、なんとかというスーパーでニッパーとか工具を買って、いろいろつくっている時点で、すでに普通の旅行者のそれではないが、田森佳秀のトラブルが、これくらいで済むはずがない。
「お前、ホテルどこなんだ?」
「ここから、10マイルくらい離れたところ。」
「えっ、だいじょうぶなのか?」
「いやあ、今日、学会会場に行こうと思って、バスを待っていたけれども、一時間待っても来なかったから、しょうがないからタクシーで来た。」
「・・・・」
「25ドルかかった。だから、一泊75ドルで安いけど、往復のタクシー代を考えると、125ドルかかっていることになる。」
「・・・・」
「昨日も、大変だったんだ。飛行機がニューオリンズに着いたのが午前0時過ぎで、それからホテルに行ったら、案の定、キャンセルされていた。メールで、ちゃんと、飛行機が着くのは日付が変わってからだから、一日前の予約だけど、ちゃんとホテルに行くと書いておいたのに。やっぱりダメなんだね。」
「それで、復活してもらえたのか?」
「いや、フロントが真っ暗で、誰もいないんだよ。」
「・・・・それで、どうしたんだ?」
「困ったなあ、と思って、ガラスの前で、手をぐるぐる動かしていたら、ああいうところって、深夜に掃除するんだね。掃除をするおねえちゃんが出てきて、どうしたんだ、と聞くから、説明したら、中に入れてくれた。」
「よかった。」
「それで、説明したら、それじゃあ、朝になったらフロントの人が来るから、それまでそこのソファにいるしかない、とか言うんだ。それで、20分くらい、どうでもいい話をしていたら、突然、そのおねえちゃんが、やっぱり電話する、といって、フロントで働いている、自分の友人に電話して、もう夜中の二時くらいだったんだけど、その友人が、おねえちゃんに電話で説明して、おねえちゃんが部屋の鍵のカードをつくってくれた。」
「部屋空いてたんだ、良かったね。」
「いや、そのホテル、廃墟みたいなところだから、部屋はいくらでもあるんだよ。」
「えっ?!」
「この前のハリケーンで壊れたんだね。窓とか割れていて、その一部が修復されて、営業しているんだ。」
「じゃあ、お前の泊まった部屋は、大丈夫だったのか?」
「いや、部屋に入って、暖房を入れたら、しばらく使っていなかったみたいで、煙が出て、火災報知器が鳴った。」
「えっ!? だいじょうぶだったのか?」
「仕方がないから、窓とドアを開けて、煙を出した。」
「それで、暖房はつかえるようになったの?」
「いや、煙が出るから、つかえていない。」
「・・・・」
「それからね、シャワーのお湯が出ないんだ」
「えっ!?」
「だから、しょうがないから、水でシャワーを浴びた。」
「冷たくないのか?」
「冷たいよ。」
「・・・・・。朝ごはんは、だいじょうぶだったの?」
「自分でつくって食べた。」
「何をつくったの?」
「カップ麺。」
「お湯は沸くんだ。」
「沸くよ。」
「カップ麺、どこで買ったの?」
「スーパー。ホテルの人に聞いたら、近いというんで歩いていったけど、遠かった。」
「どれくらい遠かったの?」
「30分くらいかな。」
「・・・・」
「ビールも6本買った。」
「・・・・・」
アメリカに着いてすぐ、トラブルに巻き込まれる田森佳秀氏。
田森は、私の知る限り、最も「単位時間あたりのトラブルの数の多い」男である。
10月 14, 2012 at 10:29 午後 | Permalink
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