« 田森佳秀、謎のプログラム開発遅れの真実! | トップページ | イタリア紀行2012(2) バチカン広場の思い出 »

2012/10/21

イタリア紀行2012(1) モンタルバーノ警部

 イタリアに向かうアリタリアの機内で、思い立っていくつかイタリアのテレビの番組を見た。すべてイタリア語だが、英語の字幕がついている。

 一本目は、老夫婦のコメディで、夫がとなりに住む若い女に惹きつけられる。アパートメントで「慈善」のための活動をすると聞いて、最初は断るが、若い女も参加する「ストリップショー」があるという話で気が変わる。20分ちょっとの短編。

 二本目、三本目は、刑事ドラマ。(Il commissario Montalbano)「モンタルバーノ警部」というタイトルで、イタリアでは大人気のテレビ・シリーズらしい。第一話のThe snack thief, 第二話のThe voice of the violinを見た。一本100分だから、それなりに時間がかかったのだけれども、要するに大変面白かったのである。

 イタリアに限らず、テレビというものは基本的にドメスティックなものである。インターネット時代には情報は国境を越えて流通するものだが、テレビは、基本的に「国家」を単位として、その中で流通することで国民を「統合する」。

 だから、案外、その国の独自の「文化」がある。特に『モンタルバーノ警部』を見ながらそう感じた。事件に対する反応、操作の仕方、そこに絡んでくる人間的次元が、日本やアメリカ、イギリスの刑事物とは違っていて、新鮮である。その一方で、人間としての普遍的な性質ももちろんある。

 もっと、イタリアのテレビが見たいな。と思った。だから、ローマに来て以来、RAI(イタリア放送協会、Radiotelevisione Italiana)を中心に、ホテルの部屋ではかけっぱなしにしている。このイタリア放送協会、イタリアではチャンネル合わせて40%以上の視聴占拠率を持つ。しかも、視聴者からの「受信料」に加えて、広告費でも稼ぐ、いわば公共放送と民放のハイブリッドのような存在なのだという。

 国が変われば、テレビのあり方も変わる。しかし、通常は、「国境」を超えて向こうの様子が見えることはない。面白いね。

10月 21, 2012 at 01:42 午後 |