もし、うまく群れから離れることができさえすれば。
アサカルで、最後に小林秀雄の講演の一部を聴いた。そうしたら、やっぱりあまりにも素晴らしくて、同時に、現代という時代の中で、この水準の講演をすることはなかなかに困難だということを痛感した。
なによりも、聴衆という存在がある。
生身の人間を前にすると、どうしても人はそちらに引っ張られてしまう。だからこそ、グレン・グールドはコンサートをやめてしまってスタジオに引きこもってしまったのだろう。
だから、ぼくは、いつか、聴衆なしで、自分にとって理想の講演というものを組み立ててみたい。もっとも魂の芯に近しい題材を選んで。それは、誰の魂の近くにもあるはずのものだ。もし、うまく群れから離れることができさえすれば。
12月 17, 2011 at 09:36 午前 | Permalink
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