« 窓の外を見ている大人の表情は、子どもの頃の無防備さを取り戻している。 | トップページ | 続生きて死ぬ私 第一回 トンネルの夢 »

2011/12/01

歓喜の歌が聞こえてきた。

ロビーを入っていくと、あっと思った。クリスマスツリーを背景に、あの方がいる!

「マエストロ!」

思わずかけより、握手した。となりに、武満眞樹さんがいらしてニコニコ笑っている。

「お元気そうで!」

精気に満ちていて、それでいて木もれ日のようにやわらかい小澤征爾さんがそこにいらした。

「お姿を拝見して、安心しました。」

「だいじょうぶだよ。君は、今、何歳だっけ?」

「49です。」

「そうか、その頃のことは、もう忘れてしまったなあ。」

雨宮処凛さんと対談していると、向こうにマエストロが見える。

ベルリンフィルの主席オーボエ奏者と何やら打ち合わせしている。話しているうちに、マエストロは立ち上がって、大きな身振りで何かを表現している。エネルギーにみちあふれている。その髪に、光がこぼれている。

元気になられたんだ。弾ける喜び。どこからか、歓喜の歌が聞こえてきた。


12月 1, 2011 at 07:01 午前 |