街の灯をあれこれと眺めながら
夕暮れの街を歩いていると、さびしいなと思うと同時に、ふだん自分を包んでいる関係性が解体されて、肌がひりひりするように感じる。
昨日もそうだった。とぼとぼと歩いていると、時間が経ってしまう、ということの怖ろしさがしみじみと感じられる。
もっと、未来が現在になり、やがて過去になってしまうことの普遍的な強制力が研究されるべきだ、と確信されるのである。
小学校2年か3年のとき、遠足で潮干狩りにいったときの写真がどこかにあるはずだが、あの写真の中でこっちを見ている私は、確かに私のはずだが、なんだかうすぼんやりしている。
あのときも、「今、ここ」があったはずで、その鮮烈なクオリアの波は、どこかに消えてしまった。
こうやって押し流されて、みんな消えていく。ぼくは、街の灯をあれこれと眺めながら、呆然たる思いにとらわれざるを得なかった。
11月 8, 2011 at 07:45 午前 | Permalink
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