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2011/10/24

勉強法に悩んでいるみなさんへ (6)一秒で集中する方法

勉強が苦手だとか、成績が伸び悩んでいる人たちの中には、勉強法がわからずに苦しんでいる人たちもずいぶんといるのではないかと思います。

以下、小学高学年の子どもでもわかるように、できるわけわかりやすく「勉強法」を解説したいと思います。参考にしてください。

なお、ここで解説する勉強法は、大人になってももちろん活用できます。脳は、「完成型」のない「オープン・エンド」。意欲さえあれば、何歳になっても新たな学びを積み重ねることができるのです。

6、1秒で集中する方法

 はっと気付いた瞬間に、集中する。1秒で集中する。そんなことができたら、苦労しないよ、という子がいるかもしれません。

 確かに、どれくらい集中できるかどうかには、個人差があります。一方で、それは、鍛えることができるものでもあります。生まれつきの「性格の差」で、集中できる、できないということが決まっているわけではありません。

 腕立て伏せや、腹筋といった運動をすると、筋肉を鍛えることができますよね? 集中するために必要な脳の回路も同じことです。前頭葉にある、「文脈」(今自分が置かれているようすを判断すること)を切り替えたり、脳の回路を目の前の目的のために動員したりするために使われる部位は、集中することを繰り返すことで鍛えることができます。だから、「私は集中できない性格なのだ」と諦めてしまってはいけないのです。

 だらだらしてしまったとしても、「さあ、勉強しよう」と始める。その時に大切なのは、「勉強すること」と「自分」との間に、「壁」を作らないことです。

 勉強しようと思っても、なかなかな始めない子がいます。このテレビ番組が終わったら、とか、あの時計の長い針が12のところに来たらとか、いろいろと理由をつけて始めないのです。

 あるいは、「勉強の環境を整えてから」などと言う子もいます。「まずは机のまわりを掃除してから」とか、「教科書や参考書を整理してから」などと言っているうちに、すぐに5分や10分の時間が経ってしまうのです。

 そうではなくて、「はっ」と気付いたら、即座に始める。そうして、わき目もふらずに集中する。この時に大切なのは、なかなか調子が出なくても、諦めないことです。すぐには集中できなくても、やめずにそれを繰り返していることで、次第に、瞬間的に「トップ・スピード」に入れるようになってきます。

 どんなに机の回りが散らかっていても、教科書や参考書が揃っていなくてもいいのです。例えば、「分数の計算をしよう」「英語の単語を覚えよう」と思ったら、机の端でも、ソファに座って自分の膝の上でも、とにかく即座に始めてしまう。テレビがついていようが、妹が隣りにいようが、関係ない。さっと始めて、一気に加速する。

 それで、5分でも10分でもやったら、さっとやめてしまっていいのです(もちろん、もっと長く勉強してもかまいませんが!)。肝心なのは、「立ち上がり」の時のスピード。そこで、何の前触れもなくさっと勉強に入ることが、人生で、必ず役に立ちます。

 「はっ」と思ったら、「さっ」と集中する。実は、これは日本の武道の伝統的な極意でもあります。武士は、いつ敵がせめてくるかわからない。道をのんびり歩いていても、敵が襲ってきたら、即座に対応しなくてはなりません。

 みなさんが、幕末に活躍した坂本龍馬だと想像してみてください。宿にいるところを、いきなり新撰組がせめてくる。一秒どころか、もっと早く集中して対応しなければ、命がありません。「今、準備をするから、5分待ってくれ」と言っても、相手には通じません。そんなことをしているうちに、切られてしまいます!

 みなさんが、ついつい言ってしまいがちな、「机を整頓してから」「教科書や参考書をそろえてから」「時計の長い針が、12のところに来たら」といった言い訳は、それを武士に置き換えると、とってもおかしなことになる、そうは思いませんか?

 「はっ」と思ったら、「さっ」と集中する。そんな「1秒で集中する」勉強法は、坂本龍馬と同じなんだと考えると、ちょっとかっこいいですよね!

10月 24, 2011 at 02:05 午後 |