きっと、それは、誰でも、そこに戻りたいと思うような、人生の「真昼どき」なんだよ。
ずっと、スタジオの前室にいる習慣だった。だから、中で、前説のひとたちがお客さんをわかせている、と気付いたのは、しばらく経ってからだった。
気付いたあとも、前室で荒俣さんや、中尾さんや、YOUさんや、いろいろな人と話していることが多かったから、前説のひとたちの様子を見ることはできなかった。
なぜ前回、のぞいてみようとおもったのか、よくわからない。下克上、というやつかな。
スタジオの入り口から入って、端の方に立っている。そんなことをしているのは、ぼくぐらいなものだから、ちょっと悪いことをしているような気がするよね。
お客さんの前で、二人組が話している。
「じゃあ、声を出す練習をしましょう。私が質問したら、続いて大声で言ってくださいね。いいくにつくろう、はい!」
「鎌倉幕府!」
「おっ、いいですね。今日のお客さんは、賢いし声が大きいですね。」
「じゃあ、今度は、ぼくがいきますね。なくようぐいす平安京!」
「お前、自分でぜんぶ言っちまうんじゃないよ!」
お客さんが湧いている。
近くに立っていらしたディレクターの方に、「なんというコンビですか?」と聞いた。
「ギンナナ」です。
「ギンナナ?」
「銀座七丁目劇場から来ているんですよ。」
「へえ。そうなのか!」
ギンナナの二人が、一生懸命前説をしている。そこにはカメラは回っていないけれども、彼らの姿は、
もう既に輝いている。
きっと、それは、誰でも、そこに戻りたいと思うような、人生の「真昼どき」なんだよ。
10月 9, 2011 at 08:44 午前 | Permalink
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