白洲信哉は、クイズを3回当てられて、3回とも答えなかった。
到着寸前に、朝倉さんから、「ツイッター見ましたよ」というメールが来た。
二階に上がって、通り過ぎようとしたら、朝倉さんが、「ここですよ」というので、そうだな、と思って、ノックした。
中で、白洲信哉が座っていた。
「やあ、どうも。」「やあ、やあ。」
しばらくして、あとで行ったら、「あれ、ちゃんと着替えあるんだ」と言っている。「へへへ。」「どうせ、自分で選んだ服じゃなくて、用意された服でしょう。」
ふたりでトーテンポールの話をしていたら、時間になった。
前室にいると、信哉が感心したようにモニターを見ている。
「へえ、立派なセットだねえ。」
「あんたも、中田さんと一緒にやっていなかったっけ?」
「いや、あれはBSで、マンションみたいなところで撮っていたから。」
タモリさんがいらして、収録が始まった。私のとなりが白洲信哉、そのとなりがタモリさん。
当て字のスナックが多い、というコーナーで、「これはなんと読むでしょう、白洲さん」と陰アナが言った。
カメラが白洲信哉にズームする。信哉、黙して答えず。「3、2、1」ブー!。極楽とんぼの加藤さんが、「あれえ、白洲さん、何かいいましょうよ」と言っている。
「次の問題です。このスナックの名前、なんと読むでしょう。白洲さん」
カメラがまた信哉にズームする。「3、2、1」ブー! ぼくはとなりではらはらする。信哉、けろりとしている。「わかりませんね。」加藤さんが、「白洲さん、これクイズですからねえ。なんか言いましょうよ」とフォローしている。
「最後の問題です。このスナックの名前は、なんと読むでしょう。それでは、白洲さん。」信哉はそれでも考えている風ではある。「3、2、1」ブー! あいかわらず、首をひねっている。でも、全然あわてていない。
結局、信哉は三回振られて、三回とも何も答えなかった。
きっと、そのころ、副調では、こんな会話がされていたんだろう。
「おい、白洲さんの、あの超然とした感じ、いいな。次の問題も、白洲さんに当ててみろ。」「おお、やっぱり答えないね。何でもいいから、適当に答えるという素振りさえ見せないね。いいねいいね。おい、次の問題も、白洲さんに当ててみろ。」「おお、やっぱり答えないね。いいねいいね。これは、うまく編集すると、いい感じになるぞ。ふふふ。大成功だ。」
みたいな感じで。
収録が終わると、信哉が「ああ、疲れた」とかなんとか言っている。「みんな偉いね。あれは、頭使うね」なんて言っている。
小松純也さんが控え室に来て、「いやあ、白洲さん、良かったですねえ。」と言う。「あの、周囲とは全く関係なくいるたたずまいが、とても良かったですねえ。」
信哉はタモリさんにすっかり感心していて、「タモリさんは凄いねえ。横から見ていると、まるで能の役者のようだったねえ。」と感心しきりだった。
白洲信哉は、クイズを3回当てられて、3回とも答えなかった。昔々、そんな夜が、あったとさ。
「ニッポン小意見センター」は10月9日23時〜放送予定。
9月 30, 2011 at 09:17 午前 | Permalink
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