サングラスの向こうに、繊細な表情がある。
ベルコモンズの前で、なんとかかんとかだというから、移動しながら探してみたら、それらしいのは一軒しかない。
サイトウマコトさんに電話しても、通じない。パーティーの主役だから、忘れているのだろう。
上がっていったら、やっぱりそうだった。
グラスのワインを受け取って、ぱーっと入っていくと、いろいろな人がいた。
さすが、マコトちゃん! 人望がすごいねえ。
ぼくは、前にマコトちゃんの時計をみてびっくりしたので、もう一度びっくりさせてもらおうと思ってみたら、やっぱりびっくりした。
「ごめんなさい。本当は、作品を見てから来たかったのですが。」
ぼくはそのころ熊本にいた。くまの人になっていた。
そんなことをマコトちゃんに言ってたら、ほんとうにクマさんがいた。
「クマさんが最初に出たのは・・・」
「笑っていいとも。」
「あっ、そうか、ぼくが高校生くらいか。」
「あれはね、横澤さんが、タコ八郎さんの後に、ってかんがえたの。オレはアーティストだから、テレビになんか出ない、って言ってたら、クマさん、それは違うんだ、これからはテレビに出て、逆に自分のメッセージを伝えていけばいいんだよ、って言ってくれたんだ。」
原研哉さんが、いつものようにスタイリッシュな出で立ちで立っている。東北復興についていっしょうけんめいに話していたら、Shellyがワインを持ってきてくれた。
Shelly、本当にありがとう!
スープストックの遠山さんが通りかかって、Shellyとパスザボタンについて話している。向こうには、浅葉克己さんがカメラをかまえてにこにこ笑っている。
「浅葉さんにはなんども写真を撮られたけれども、一度も見たことないなあ。」
パーティーの空間。小山登美夫さんとアベちゃんの話をしている。みたら、マコトちゃんがいない。
探しにいくと、偉大なる作家、サイトウマコトは入り口で座っていた。
「どうしたのですか。」
「いやあ、午後5時からずっとだから、疲れちゃってさあ。」
サングラスの向こうに、繊細な表情がある。ぼくはそのとき、人の肌というものを感じた思いがした。
サイトウマコト展は、小山登美夫ギャラリー清澄でやっています。
9月 11, 2011 at 06:43 午前 | Permalink
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