しゅりんく・ぷりーず。
いつものように地下に降りていった。
打ち合わせが進み、そろそろだというので、リュックの中から白い長袖のシャツを取りだした。
以前に一回着て、洗濯機に放り込んで、そのま
ま出してあったものである。
トイレに行き、水色のTシャツと着替えて、マイクをつけていただき、出ていこうとしたら、SHELLYと目が合った。
その瞬間、SHELLYが、「あっ!」と言った。ぼくは、どきっとした。
「茂木さん、その服、しわしわになっていますよ〜」
確かに、袖のところに皺が出ている。
「もし良かったら、うちのスタイリストさんに、アイロンをかけてもらいましょうか。」
スタイリストさんも後ろからのぞいて、「あ〜」と言っている。
「いや、さっきマイクをつけると大変だったから。」
「面倒くさいですか。」
「うーん。」
「やっぱり、アイロンかけてもらいましょうよ。」
SHELLYの部屋に入ると、メイクの道具がたくさん置いてあった。スタイリストさんが、「スティーマー」を持ってきて、ぷしゅっとスイッチを入れた。
「そでだけ、外してもらえば・・・」
まず、左側が、遠山の金さんになった。「遊び人の金さんだなあ。」
今度は、右。外した袖にぷしゅ、ぷしゅとスティーマーを当てる。熱い蒸気が肩の方に上ってくる。
「ほら、だいぶ皺がなくなりましたよ。」
お礼を言って、スタジオに上がっていった。SHELLYが話し始める。
「今週のTOKYO AWARDは。。。茂木さん、今週は、ファッションがテーマですよ。ファッションと言えば。」
「ぼくの得意分野ですね。。。なわけないでしょ。」
「先ほども、茂木さん、リュックの中から服取りだして、しわしわのまま着ていこうとしていましたね。テレビに出る人なのに。。。」
「うーん。あれは、シュリンク・プリーズというのです。」
ぼくの唯一のファッション・ステートメントは、ジャケットでもシャツでもくるくるにしてリュックの中にしまってしまうということ。
その弱点を、SHELLYに見つかってしまった。
8月 20, 2011 at 07:36 午前 | Permalink
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