私の秋が始まる。
渋谷方面に抜けようと思って、代々木側から明治神宮の鳥居をくぐった。
静かな参道。愛する静寂。木漏れ日が、「光の道」をつくることもある。しかし今は、両側から繁った葉が、くまなく黒く続いている。
玉砂利を踏みしめながら、考えている実験の条件について考えた。「典型的な歴史」を用意する。その主観的視点を交換すれば、私たちは知らないうちに。。。
気付くと、明るいその方向から、太鼓が聞こえる。近づくと、人影が弾けるように動いている。振りしぼる巨大な旗が見える。
歌声が聞こえてきた。
じんばも ばんばも よう踊る よう踊る
鳴子両手に よう踊る よう踊る
明るく照らされて、そこだけがまるで天の岩戸の内側から見る太陽のように光っている。
よう踊る。よう踊る。
人は、あまりも予想を超えたものを見ると、呆然としてしまうものだな。
『スーパーよさこい2011』との看板が見えた。
外国人観光客が、口をあんぐりと開けてカメラを向けることさえしない。
踊っている人たちの熱気、その完成度の高さ、そして思いに感染して、すべてを忘れてしまった。
あちらからこちらから、思い思い、そろいの衣裳をつけた人たちが集まってくる。まだまだ、宴は終わらない。
日本は、祭り。ここに、私の秋が始まる。
8月 29, 2011 at 07:56 午前 | Permalink
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