口あんぐりのブタくん
あれやこれやで何だか疲れてしまって、たまたま近くにあった、ブタの線香入れをぼんやりと眺めていた。
口を「あんぐり」と開けていて、両眼を見開いている。ずっとそのままの表情で、作られた時からずっとそのままで。
そして、この店に来てからも、ずっと口をあんぐりと開いたまま、世界を見つめている。いつか、誰かが足をつまづくか何かして、粉々に砕けてしまうまで。
へえ、こんなところに、こんなやつがいるんだな、と思った。オレがここに来る前から、ずっとこいつは口をあんぐり開けていたのだろう。
同じ、原子の配列の問題。世界のやり過ごし方としては、口あんぐりのブタくんは、そんなに悪くないぞ、と思った。
そして、オレは、ここにいる。まあ、あんぐりみたいなもんだよ。
8月 17, 2011 at 06:55 午前 | Permalink
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