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2010/11/14

アメリカ人の島国根性の方が、わかりにくいだけに質が悪い。

 サン・フランシスコで乗り換えて、サン・ディエゴ行きのユナイティドの機内は、もうアメリカ国内の雰囲気。

 隣には、大柄のアメリカ人。こんな時、思春期は、日本語の本を読むのを何となく気後れしたものだが、今では平気になってしまった。内田百閒の「阿房列車」を読む。しかし、すぐに眠ってしまった。

 目を覚ますと、テレビモニターに見慣れた黒人の男が映っている。この人、だれだっけ? と考えていて思いだした。僕が大好きな、「30 Rock」というコメディ。飛行機の中でやっているのしか見たことないけど、NBCを舞台にした制作のドタバタのようなもので、きっとNBCで流しているのではないかと思う。

 しばらくうとうとして、また意識が戻ると、こんどは細長い顔の人が映っていた。そうそう、この人、ブラックアダーなどのイギリスのコメディに欠かせない役柄だったヒュー・ロウリー。その後、アメリカで「ハウス」というドラマに出ていると聴いたときにはびっくりした。あんなにブリティッシュで、発音もブリティッシュな人が、アメリカなまりの英語を喋るところを、想像できなかったからだ。

 だけど、ヒューはそれを非常に巧くやっているらしい。ユナイティドの機内は、音声がなかったからその声を確認できなかったけれども、「ハウス」らしいドラマの中に映るヒューは、すっかりアメリカっぽくなっていた。

 すごいな、ヒュー。今、アメリカのテレビ・ドラマ界で、最もギャラの高い役者らしい。大成功と言えるだろう。でも・・・再び意識を失いながら、考えた。「ブラックアダー」での、あの、間抜けで大げさ、しかし真っ直ぐな青年将校役と、どっちが後世において、優れた業績として評価されるんだろう。「ブラックアダー」の時のギャラは、「ハウス」の10分の1とか100分の1、あるいはそれ以下だったのだろうけれども。

 サンディエゴに着く。大柄のアメリカ人を追うように飛行機を降りながら、突然笑いだした。なんだあ、島国根性なのは、日本人もアメリカ人も同じじゃないか。きっと、アメリカ人は、みんなが「ハウス」や「30 Rock」を見ていると思っているんだろう。自分たちの喋っている言葉は標準語で、「炊事遠足」は日本中でやっていると信じている北海道の人たちと同じだ。
 
 アメリカ人の島国根性の方が、わかりにくいだけに質が悪い。
 
 サンディエゴの陽光は、明るかった。11月とはとても思えないくらい。ホテルに向かう車から、空母ミッドウェーが見えた。あの上から発進して、着陸するんだから、凄いなあ。

11月 14, 2010 at 09:10 午前 |