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2010/11/04

『斉唱』

兵庫県立美術館で見た小磯良平の『斉唱』 のことを思い出している。


不思議な絵で、フォーマルの黒い部分の質感がマットで、女の子たちの表情、顔立ちがみな同じである。そうして、瞳が底光りしている。

戦争中の緊張感を背景にして、しかし離れた静謐に至っているという点においては、小林秀雄の『無常といふ事』と同じだ。

小林秀雄が、文章というものは意味がすぐにはわからないように書かなければならない、とどこかで記していると思うが、これは伝えることがコミュニケーション打ち切りであることと関係しているのだろう。

『ゲーテ自然科学の集い』で、久しぶりに布施英利さんとご一緒した。言葉の使い方が、相変わらず面白かったな。力があり、印象深い表現には、必ず断絶の側面がある。言葉も、絵も同じである。

11月 4, 2010 at 07:44 午前 |