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2010/09/26

連続ツイート 走

走(1)子どもの頃から、ずっと走っている。小学校の時は、学校が始まる前に校庭をぐるぐる回っていた。ある日には、放課後に、トラックを30周くらいした。

走(2)短距離は苦手だったけれども、中長距離は得意になった。学年で2、3位になった。それで、市内持久走大会の代表に選ばれたりもした。

走(3)持久走の練習は苦しかった。あまりにも苦しくて、向こうからトラックが来るとぶつかった方がラクなんじゃないかと思った。なぜか、ずっと、山口百恵の「あなたにおんなのこのいちばん〜」というメロディーが聞こえていた。

走(4)持久走大会の本番、スタートで出遅れた。なにしろ短距離走は苦手。見に来ていた女の子たちが「あら」という顔をした。それで、途中で徐々にみんなを抜かしていったので、競技場に帰ってきたときはみんなびっくりしていた。

走(5)今日まで、ずっと走り続けている。なぜ走るのかと言えば、走っている時の自分が好きだからだろう。スポーツ早歩きはあまり好きではない。がーっと何かが乗り移ったように、モードが変わっている、その状態が好きだ。

走(6)走ると、アタマが空っぽになる。私がストレスに強いのは、走って鍛えたからかもしれない。歩行禅という瞑想の方法があるそうである。私の場合、走行禅というべきものを実践してきた。

走(7)持久走から学んだものは何か。一度始めたら、やめない。小学校の時は、蝶の研究をずっとやった。クオリアについて考え始めたら、考えるのをやめない。一生考え続ける。私はしつこいのだ。

走(8)走る習慣を持っている人は、会って話していると、何となくわかる。身体を動かしてエキササイズする必要は必ずしもない。仕事でも、生きることでも、走り始めて、そう簡単にはやめない。そんなガッツを持っている人たちと、ぼくは意気投合する。

走(9)走っていて、ふと足をとめて、見えてくる風景が良い。静止しているということが、奇跡のように思えてくる。詳細がありありと見える。走っていると、時折ぼんやりと佇む、その時間の流れが恩寵となるのだ。

走(10)ぼくは走る。今日も走る。走ることで、自ら風をつくることができる。生きている限り、走り続ける。走るのをやめるのは、きっと、この世にオサラバする時だろう。

以上、「走る」ことについての連続ツイートでした。

(2010年9月22日、http://twitter.com/kenichiromogiにてツイート)

9月 26, 2010 at 08:32 午前 |