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2010/09/30

連続ツイート 人質

人質(1)人間の認知プロセスは、その時々の状況を認識して、本質的な要素に注意を向けようとする。機能的に見て意味があり、良いことだが、一方で本来は広がりを持つ状況が、人質にとられてしまうということがある。

人質(2)受験生は、本来ふくよかで豊かであるはずの青春を、合格するか、しないかという二者択一で人質にとられてしまう。就活をする人もたった一つの通知にあたかも自分の人生の幸福、不幸がすべてかかっているかのような錯覚を抱く。

人質(3)政治において、single issue politicsが流行るのは、有権者の認知プロセスが単一の課題に人質にとられる傾向があるからである。本当は総合的に判断すべき状況を、たった一つのテーマによって塗りつぶしてしまう。

人質(4)国家間の関係においても、広範にわたる複雑な関係性が、単一の問題によって人質にとられてしまうことがある。時には、片方のあるいは両方の政府が、単一の問題を人質にとって、それ以外のすべてを圧殺してしまうこともある。

人質(5)人質問題は、人間と世界のかかわりの至るところに顔を出す。身代金を要求することが、自分の存在意義だと勘違いする人もいる。身代金をどうやって払おうかと、それだけで頭がいっぱいになることもある。それは、生のふくよかさを裏切る悲劇だ。

人質(6)自分自身の認知の癖から完全に自由になることはむずかしい。しかし、メタ認知を通して、そのような状況を把握することができる。姿を鏡に映しただけで、はっと気付くこともある。人質状況を解きほぐすのは、嘘偽りない自己認識だ。

人質(7)島をめぐる争い。そのことで両岸のひとびとの心がいっぱいになる。不快になり、ストレスを感じる。それが「人質」というもの。「人質」をとった側が居丈高に迫り、注意が集中する。しかし、そのことで自分の人生を凝り固まらせては、ものすごい損だ。

人質(8)単一の問題を拡大する人は、結局、人間の認知プロセスの癖に付けいっている。人質は、ウィルスのように侵入し、蔓延する。私たちは免疫系の作用に期待するとともに、外の空気を吸い、太陽を浴び続けなければならない。

人質(9)羊しかすまない岩礁の行く末が、何億という人の生を人質にとるとは、どうみても常軌を逸している。人質をとって居丈高になる側の未熟さに、つきあう必要などない。くるりと背を向ければ、そこには、人質以前の世界がくめども尽きぬ豊かさをもって広がっている。

人質(10)だからぼくは、今日も、自分にとって大切な問題を、粛々と進めていきます。

以上、「人質」についての連続ツイートでした。

(2010年9月27日、http://twitter.com/kenichiromogiにてツイート)

9月 30, 2010 at 07:57 午前 |