新聞八策
連続ツイート。 新聞八策
新聞八策(1)すべての記事を署名とし、社員のスタッフ・ライターと、社外のフリーランスのライターを平等に起用し、競わせる。新聞紙面に載る無署名記事は社員の執筆によるものであるという前提を突き崩す。
新聞八策(2)原則、すべての記事をウェブ上で公開するものとする。青空文庫を見ればわかるように、ウェブ上に電子データがあることは、必ずしも紙媒体の売り上げを下げるとは限らない。検索、インデックスを充実させて、新聞が議論のハブになれるように図る。
新聞八策(3)本格的な英字紙部門を発展させる。日本の記者が書いたものを英語に翻訳するのではなく、最初から英語で独自の記事を書くライター(スタッフ、フリーランスを問わず)を持つ。その上で、日本語の紙面と相互交流し、競争、強化を図る。
新聞八策(4)記者クラブは即時廃止。横並びを避ける。特オチを恐れない。単なる事実の報道は通信社にまかせて、じっくりと事実を分析した、読み応えのある分析、評論記事を掲載する。世界の主要紙を意識し、記事が国際レベルで見て室の高いものであることを目指す。
新聞八策(5)ウェブと連動するなどして、記事の字数を飛躍的に増やす。限られた字数の中で当たり障りのないことを書くという「芸」を廃し、議論を喚起し長く記憶に残るような「刺さる」記事を掲載することを目指す。
新聞八策(6)字数を同じにした升目のような書評欄の悪平等を廃す。それぞれの書き手が、一つの作品として自由な長さで書評を書けるようにする。各月に発表された作品に触れることが政治性を帯びる文芸時評、論壇時評の愚を廃し、書き手がフリーハンドで文芸、論壇の潮流を論じられるようにする。
新聞八策(7)投書欄を活性化させる。すべて同じ長さという悪平等を撤廃。一行だけの投書や、長文の投書があって良い。また、内容について、小学校の学級会の正義感のような「ストライクゾーン」を措定しないようにする。
新聞八策(8)最初から何百万読者向けの薄い内容を措定するのではなく、むしろ、ある熱いコミュニティ向けの記事があって良い。流行というものは、常に少数が多数を引っ張っていくものである。問題は、どのコミュニティにチューニングするか。
以上、2010年9月2日 茂木健一郎ツイッター・アカウント上にて。
9月 4, 2010 at 09:50 午前 | Permalink
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