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2010/09/08

連続ツイート 専門

専門(1)これからの時代に一番必要なことは、越境すること、「点」と「点」を結ぶことである。ところが、日本人の「マインドセット」の中に、越境する人を揶揄し、蛸壺にこもることを正当化する傾向がある。徹底的に破壊しなければならぬ。

専門(2)たとえば内田樹さんのような柔らかな知性に対して、「専門領域を超えていいかげんなことを言っている」などと揶揄する輩が必ずいる。自分自身の知的レベルは棚に上げて、気の利いたことを言って優位に立ったつもりでいるのだ。

専門(3)日本人は全般的に一つのことを墨守する傾向があり、研究者コミュニティでは「修士刷り込み説」という言葉もある。修士の時にやったことを一生やっている人のことだ。自分がシーラカンスになるのは勝手だが、人にまで押しつけようとする。まさに、「プロクラステスのベッド」である。

専門(4)越境する人を応援しない日本のマインドセットが発展を阻害している。アップルのスティーヴ・ジョブズは、何かの「専門家」なのか? ユーザーインターフェイスの「専門家」じゃない人は、iPhoneの開発には口を出すな、などと言っていたら、ジョブズの輝きは生まれない。

専門(5)ジョブズのやり方は、「歩き回ってマネッジメントすること」及び「現実変容空間」とも呼ばれるカリスマ性である。専門がなんちゃらかんちゃらとか言っている閉塞精神からは、ジョブズのような人は絶対に生まれない。

専門(6)グーグルで行われたScience Foo Campで衝撃的な経験をした。皆が「アカデミア2.0」とか、「ジャーナリズムの未来」などと横断的なセッションをやっている中で、認知神経科学の世界的権威たちが開いた「正統的」なセッションが、恐ろしく凡庸でつまらなく見えたのだ。

専門(7)知のあり方が変わりつつある。一つひとつの「点」に固執する人たちよりも、「点」と「点」を結ぶ人たちの方が輝いている。「結ぶ人」こそが、次の時代に私たちを連れていってくれる。「点」に固執する人たちは、もはや旧時代の遺物に過ぎない。

専門(8)そもそも、日本語の「専門」という言葉には、「それしかやらない」という意味合いがある。「専門」や「専門家」といった日本語の用法に表れる日本人のマインドセットが、インターネット時代の偶有性の新文明に日本が入っていくことを妨げている。

専門(9)「専門」に対して、expertには、「それしかやらない」という意味はない。語源的に、expertは、「試みること、挑戦すること」、あるいは「経験を通して賢くなった人」のことである。英語圏での「expert」と、日本語で「専門家」ではニュアンスに天と地ほどの違いがある。

専門(10)私自身は、「専門」という言葉も、「専門家」というラベルも使わない。そのような言葉を使って、自分や他人を決めつける人にも与しない。「専門」や「専門家」という表現が、越境精神に対して抑圧的に作用するのが、イヤなのである。

専門(11)「専門」などという決めつけは、ぶっ壊しちまえ。みんな、遠慮せずに越境しろ。ジョブズのように、歩き回り、現実を変容させてしまえ。偶有性の海に飛び込め。泳げ、探せ、つかめ。新文明の中に、いち早く行け!

以上、「専門」についての連続ツイートでした。

9月 8, 2010 at 03:21 午前 |