夏はすこしぼんやりした方が良い
子どもの頃、夏休みはそれまでと違ったモードになるのだった。
プールに行って、泳いで、疲れてだるくなって、そのまま夕飯を食べないで眠ってしまったり、蝶を採りに森の中に出かけていって、まわりの緑と一体になったり、カブトムシの匂いを嗅いだり、寝転がって本を読んだり、溶けたバターのような怠惰な時間を過ごした。
そうして、9月になり、秋の気配がする頃になって「はっ」と気付くのだった。しまった、こんなにぼんやりしていてはいけない。それで、「シャン」とする。
今から思うと、ぼんやりとする時間があるのが良かったのだと思う。だからこそ、秋から「シャン」とすることができる。夏のぼんやりだらりがないと、秋からの「シャン」にも、緊張感が足りない。
だから、夏は少しはぼんやりしようと思う。毎日何かに追われていて、ぼんやりする時間もないが、いつもより少しはソファでの寝転びかたも、ぐたりのたりを心がけるようにしている。ほんの10分くらいのことだけれども。
8月 13, 2010 at 05:59 午前 | Permalink
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