ベニスに死す
ベニスに死す(Death in Venice)のラストシーン。イタリア貴族の末裔、ヴィスコンティが、その独自の「没落の美学」で撮影した名作。
全編に、マーラーの交響曲第五番第四楽章「アダージョ」が流れる。
ベニスを訪問した作曲家(グスタフ・マーラーをモデルにしていると思われる)は、美少年タッジオに魅せられ、次第に精神のバランスを崩していく。
ラスト・シーン。衰弱して、浜辺の椅子に座る作曲家の前で、タッジオが海の中に立つ。
やがて、タッジオが手を上げる。あたかも、永遠の美の世界、プラトン的イデアの宇宙を指し示しているかのように。作曲家は魅せられ、手を伸ばそうとするが、その瞬間に息絶える。
作曲家の時間は終わった。しかし、宇宙の時間は進行し続ける。やがて、タッジオの腕は下ろされ、人生は進んでいく。一方、作曲家の異変に気付いた浜辺の人たちは騒ぎ出す。二人の青年が、疫病がベニスに流行っていることを隠すためなのか、そそくさと作曲家の遺体を運んでいってしまうのだ。
Death in Venice. The final scene.
8月 12, 2010 at 07:58 午前 | Permalink
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