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2010/08/23

神々の黄昏 

シンガポールで、「革命」のことを考えていたら、久しぶりに『神々の黄昏』のラストが見たくなった。

1976年に始まったパトリス・シェローとピエール・ブーレーズによるプロダクションは、最初は猛烈な拒絶反応を呼んだが、今となっては真の古典である。

ジークフリートが自分を裏切ったのは、ハーゲンの計略によるものと悟ったブリュンヒルデは、すべての災厄のもととなった「ラインの黄金」から作られた指環をラインの乙女たちに返すことを決意。ジークフリートの亡きがらを燃やす炎の中に自ら飛び込む。

燃えさかる炎。そうやって、古い世界はすべて消えていくのだ。群衆が騒ぎ立てる。どよめき、やがて、静かな覚醒が訪れる。

一人、また一人と人々が立ち上がる。歴史の中で、無名な存在だった人たちが、自分たちこそが主役だと気付き始める。

最後に、まるで記念写真のように立ち並ぶ群衆たち。「愛による救済」のモティーフが響く。パトリス・シェローによる『神々の黄昏』のこの最後の10分間ほど、美しい舞台処理を私は知らない。

http://bit.ly/dwJ5ak
リヒャルト・ワグナー『神々の黄昏』
バイロイト音楽祭 パトリス・シェロー演出
ピエール・ブーレズ指揮

8月 23, 2010 at 12:18 午後 |