脳のトリセツ 韓国の「足し算」文化
週刊ポスト 2010年8月6日号
脳のトリセツ 第51回 韓国の「足し算」文化
似通った部分への共感と異質さへのサプライズの混在に脳は惹きつけられる。国と国との関係も、恋愛も同じだ。
抜粋
驚いたのは、寿司屋に入ってもポトラッチ状態だったということである。「正統日式」という表示があった。日本でもよく見られる店名の「金寿司」。韓国料理は確かにうまいが、毎食だとちょっと大変だからと、胃を休ませるつもりで入った。考えが甘かった。
メニューから、「特選寿司」を選んだ。写真で見る限り、ごく普通の握り寿司。寿司が来る前にまずはいきなりキムチの小皿が三個運ばれてきて、びっくりした。しかしまあ、これくらいは予想の範囲内である。やはり、韓国では、にぎり寿司といってもキムチくらい付いてくるのだろう。
自分で自分を納得させて、ビールを飲み、キムチをつまみながら寿司を待った。やがて運ばれてきた寿司は、なぜか白身ばかり。10カンあるうちの、9個が白身で、1個が茹でた海老である。日本でも、西の方では白身が好まれる傾向があるが、韓国の人はタイやヒラメが好きなのだろうか。とにかく、今までこってりとした肉を食べてきた身にとっては、淡泊な魚の味は有り難い。日韓友好ばんざいとばかり、箸を動かした。
油断していた、と思い知らされたのはそれからである。まずは、店の人が小皿をさらに3つ持ってきた。これで、合計6皿。さすがは「ポトラッチ」文化の国。にぎり寿司しか注文していなかったのに、白菜キムチ、カクテキ、水キムチ、らっきょう、その他正体の分からない小皿が計6つも出てくるとは。
すっかり圧倒された気分で小皿に手を伸ばしていると、さらに追い打ちがきた。大きな焼き魚がでんと出た。寿司を頼んだのに、焼き魚。日本でも、小ぶりのものをあぶったりはするが、これほど本格的なものは出てこない。魚身が20センチはある。口に運んでみると、あぶらがのっていておいしい。東京にいるのならば、ダイコン下ろしが欲しいところである。
さあこれで終わり、寿司も食べ終わったし、そろそろ行くかと思っていると、最後にもう一つどんと着た。なんと、石焼きビビンパ。まさか、寿司を頼んで、締めにビビンパが出てくるとまでは、思わなかった。
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イラスト ふなびきかずこ
7月 28, 2010 at 10:15 午前 | Permalink
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