脳のトリセツ 母校での「アジテーション」
週刊ポスト 2010年7月9日号
脳のトリセツ 第48回 母校での「アジテーション」
「なぜ、学生のほとんどが日本人なのか?」ー以前からの疑問を東大生にぶつけたら、〝予想外の反応〟が返ってきた。
抜粋
なぜ、ほとんど、日本人の学生しかいないのか? グローバリズムの時代。大学の役割は、ネットワークを通して世界のさまざまな人々と結びつく時代にふさわしい、強靱で普遍性を持った「知」をつくり出すことである。
そのためには、様々な人が行き交わなければならない。現在NHKで放送中(『ハーバード白熱教室』)で、インターネットでも見ることができる、ハーバード大学のサンデル教授の名講義「正義(Justice)」。その画面から読みとれる、さまざまな肌の色や、目の色、ファッション・スタイルの学生たちが教室にあふれるような光景を、どうして、日本では実現できないのか? そんな思いを抱いて、二時限目の授業中、学生たちに問題提起した。
「外国の街を歩いていて、見知らぬ通りに来る。そんな時、ふと気付いたら、周囲の建物の窓ガラスが割れていたら、ここはひょっとしたらマズイんじゃないか、という気持ちになってくるね。」
「さっき、駒場のキャンパスを歩いていて、同じようにマズイという気持ちになりました。なぜ、この大学には、いろいろな国の、さまざまな文化的背景の人たちが来ていないんでしょう? グローバリズムの時代に、これでは、ガラパゴス化すると思わない?」
「大学というのは、グローバル化する世界において、生き抜く上で必要な普遍的で強靱な知性を磨くところじゃないのかな。ふだん、学問に励む上で、空気のように吸う雰囲気がどのようなものか、重大な影響があるよね。君たちが、4年間キャンパスで知り合い、友だちになる人たちが、ほとんど日本人である。そんなことでいいのだろうか?」
私のもくろみとしては、別にその場で「革命」が起きなくても、学生たちにそれなりに危機感が伝わり、問題解決へ向けての意欲が高まる、そんなことを期待していたのだった。
ところが、学生たちの反応は、予想とは異なるものだった。
全文は「週刊ポスト」でお読み下さい。
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イラスト ふなびきかずこ
7月 1, 2010 at 06:07 午後 | Permalink
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