『文明の星時間』 遙かな尾瀬
サンデー毎日連載
茂木健一郎
『文明の星時間』 第121回 遙かな尾瀬
サンデー毎日 2010年7月18日号
http://mainichi.jp/enta/book/sunday/
抜粋
江間章子作詞、中田喜直作曲の『夏の思い出』。福島、新潟、栃木、群馬の4県にまたがる尾瀬の美しさを歌う。「夏がくれば思い出す」で始まるこの名曲は、音楽の教科書の定番であり、日本人の多くが口ずさむことができるスタンダード・ナンバーとなった。
私も、子どもの頃にこの曲を知り、まだ見ぬ尾瀬にあこがれた。「ミズバショウ」という言葉の響きに、美しい花の姿を想った。いつかは訪れたいと願っているうちに、歳月が過ぎてしまった。
大学院生の頃は、研究室の先輩が尾瀬に行こうと盛んに言った。「おおぜいで尾瀬に行こうぜ」というその口ぶりを、昨日のことのように思い出すことができる。
今年、いや来年こそと計画していたが、皆の都合が合わず、流れ流れになって、そのうち私は卒業してしまった。その先輩も、他の就職して遠くに行ってしまった。
長い間思い焦がれながら行くことを果たせなかった尾瀬。そのきっかけになったのが、一つの曲であるということは、考えてみれば凄いことだと思う。歌には、それだけの力があるのである。
その尾瀬に、先日、ついに行くことができた。東京電力の方が、お誘い下さったのである。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
イラスト 谷山彩子
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7月 9, 2010 at 08:09 午前 | Permalink
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