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2010/05/08

宙ぶらりん

 イギリスの総選挙の結果が出そろい、どの政党も絶対多数を占めない「宙ぶらりん議会」(hung parliament)になった。

 その後が、面白い。イギリスは、非成文憲法の国である。日本のように、衆議院の投票で白黒をつけるというわけにはいかない。

 慣習(convention)によると、絶対多数を占める政党がいない場合には、現在の首相(すなわち、労働党のゴードン・ブラウン)が、まずは組閣する権利を持つのだという。

 ところが、保守党のデイヴィド・キャメロン党首は、労働党は第一党の座からすべり落ちたのだから、政権から降りなければならないと主張する。この間の経緯を、イギリスのメディアは、「ブラウン首相は、辞任しろという強い圧力の下に置かれるだろう。」と報じる。

 第二党に転落した労働党と、ニック・クレッグ率いる自由民主党)(liberal democtates)が保守党に対抗して連立政権をつくるということはもちろんあり得る。

 そうして、最後は、エリザベス女王が誰に組閣を要請するか、という判断の問題ともなる。この点については、女王のアドヴァイザーが、いろいろと状況を勘案するらしい。

 サッチャー元首相は、「私は女王のことを尊敬しているから、女王の判断にゆだねる」と発言する。

 単なる「数合わせ」ではなく、関与するそれぞれの人の「判断」が寄与してくるところが、「宙ぶらりん議会」の面白さがある。

 「宙ぶらりん」だからこそ、人間の判断が問われる。そのような状況こそ、ある意味ではイギリス人にふさわしい。

5月 8, 2010 at 10:50 午前 |