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2010/05/21

増田健史さんからのメール

先日、打ち上げの時に来た筑摩書房の増田健史氏(たけちゃんマン)からメールが来た。

たけちゃん、ありがとう。

自由の本、ちゃんと書くよ。英語が先になるかもしれないけど。ぼくも、たけちゃんと会えて話せてよかったです。

From: 増田
To: "'Ken Mogi'"
Subject: 大事な追伸付き(ちくま増田)
Date: Thu, 20 May 2010


茂木さま

昨晩は、楽しい席にお招きいただき、ありがとうございました。
久しぶりにお話しすることができ、嬉しかったです。

昨日とりわけ印象的だったのは、私の(いま日本は、総体的にみれば——それは、あまりに遅々たる歩みだし、ある観点からみれば鈍くさくて仕方のないものかもしれないけれど——いい方向に向かっているのではないかという)オプティミスティックな現状認識に対して、それが仮に正当な見立てであったとしても、「もう、それじゃあ遅すぎるんだ」とする茂木さんの切迫した認識でした。
これに関しては、僕も冷静にかえりみて、茂木さんの言うとおりなんだろうな、と。自分のぬるま湯的な漸進主義は、ぬるすぎだろう——こう考えを改めざるをえません。
やっぱり、僕みたいなサラリーマンないし官僚的心性に根差した発想なんですよね、
あらゆる「漸進主義」は。もちろんそれが妥当な場面もたくさんあるはずだけれど、いまは、もうそんな悠長に構えていられる時期ではないのでしょうね、いろいろ。

もうひとつ、みなさんの話を傍で聞いていて感じたのは、茂木さんには例の「自由論/自由意志論」をまとめる時間が、本当に、圧倒的な事実として本当にないんだな、ということ。
むろん、前からそうは思っていましたが、より一層リアルに感じました。
正直、昨晩は心がくじけ、私が茂木さんの本格的な論稿を一書にまとめられる機会はもう一度あるのか、と落ち込んでしまいました。
しかし、こればかりは、じっくりと粘り強くやるほか仕方ありません。
まだまだ、僕は諦めませんので、引き続きお付き合いくださいませ。

いちおう言っておくと、対「世間」なんて文脈から一番遠いところで、僕は茂木さんのことが、茂木さんの書くものが好きなんですよ。
つらい仕事ですよ、それは。
でも今度は、他の何よりもこのことに力を注ぐ気持ちになっていただけたらいいな、と祈っています。
本当に心から。

すでに酔っ払っていて支離滅裂ですね。
まあ、いいや、そのまま送信させていただきます。
どうか、ずっとお元気で!


株式会社 筑摩書房 編集局 第2編集室
増田 健史


増田健史氏。大場旦、茂木健一郎と。2004年12月


増田健史氏。塩谷賢と。2006年12月。


増田健史氏。 2008年10月


増田健史氏。2009年8月


増田健史氏。2009年12月

5月 21, 2010 at 06:56 午前 |