人は、決して、単線ではない。どんな人にも、伏流がある。
有吉伸人さんと会って、いろいろと話した。
ずっと、ものすごい勢いで仕事をしていた有吉さんが、本当に久しぶりに、少し休暇をとった。そうしたら、いろいろと、それまでとは違ったかたちで人生のことを考えたのだという。
その時、有吉さんが考えたということが、それまで回転するのを止めたら倒れてしまうコマのようにずっと働いていた人から出る発想とは思えなかった。
ぼくは、それで、ああ、有吉伸人という人はやっぱりいい人だなあ、と感動してしまった。
ずっとずっと全力投球をして、高い質の仕事をしている人だからこそ、いったん仕事を離れた時に考えることもまた深いものになる。
人は、決して、単線ではない。どんな人にも、伏流がある。その伏流が、休暇に入ることによって、雪融け水のようにあふれ出す。
それは、涙にもまた似ている。私たちの生命の作用の最も奥深い場所から、隠れていた感情、忘れかけていた原点がよみがえってくる。
有吉さんは、また現場に戻った。全力疾走は再び続く。
そして、今後有吉さんがつくる番組は、きっと、少しだけ違うものになるだろう。
有吉さんが、凄まじいまでの集中と、そして飽くなき持続力で仕事をしていた、その年月をすぐそばで見ることができて、本当に良かったと思う。
有吉さんが回転し続けるコマのように働いていた頃。
仕事の合間に、思わずソファに倒れ込む。
5月 24, 2010 at 06:47 午前 | Permalink
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