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2010/04/20

ミュンヘン。ボビーに首ったけ。

夜の時点でも、翌日のルフトハンザミュンヘン発成田便がキャンセルされていないというここ数日では初めての事態に、ほのかな希望が灯った。

明日、帰れるかもしれない。

そう思ったら、急に、ミュンヘン中央駅の風情がいろいろ愛おしくなって、何度も御世話になったコインで入るトイレに改めて行ってみたり、ホームのあたりをうろうろしてみたり。

駅の中にあるカフェはすっかりおなじみだ。何杯ビールを飲んだことだろう。

最後の記念。夕飯をそこで食べようと入ったら、小太りのおじさんがちょこまか店の中を走り回っていた。

ビールをえいやっと持ってきたり、注文を聞いたり、料理を運んだり、精算したり。

ものすごく働きもの。そして、いつも笑顔を絶やさない。ぼくにも、「シュメックト・グート?」(おいしいかい?)とにこにこしながら聞いてくれる。

メタボなのだけれども、動作がきびきびしていて、見ていて実に気持ちがいい。

ちょっと、塩谷賢のことを思い出す。もっとも、塩谷のお腹は、さらに出ているけれども。0.12トンの塩谷。こちらのおじさんは、さすがに0.1トンには行っていないのではないか。

バイエルンでよく見る革製のズボンをはいたおじさん。名札を見ると、Bobbyと書いてある。

 ボビーに首ったけ。

 ぼくはすっかりファンになってしまって、ビールを飲み、ヴィーナーシュニッツェルを食べながら、おじさんの写真をたくさん撮った。

 そして翌朝。
 
 ぼくは今、出るかも知れない飛行機の搭乗券を握りしめ、ミュンヘンにいる。すべては火山灰の気まぐれ次第。もし無事乗れて、飛べて、なつかしい東京に帰れるとしたら。

 そうしたら、「ボビーに首ったけ」な気持ちでちょこまか走るおじさんを眺めて過ごしたミュンヘンの夜は、最高の思い出となるだろう。


4月 20, 2010 at 07:10 午後 |