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2010/04/30

『文明の星時間』 鎖国は続いている

サンデー毎日連載

茂木健一郎  
『文明の星時間』 第112回  鎖国は続いている

サンデー毎日 2010年5月9日、16日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 イギリスのタイムズ誌高等教育版(Times Higher Education)は、毎年、世界の大学ランキングを発表することで有名である。
 2009年のランキングでは、日本国内では東京大学が世界で22位でトップ。続いて、京都大学が25位、大阪大学が43位、東京工業大学が55位と続いている。
 国内一位の東京大学を見ると、研究レベルや論文引用数では世界のトップ・レベルと並んでいるのに、学生や教員の「国際化」指数において大きく見劣りする。
 世界ランキング上位の米国のハーバード大学(1位)やイエール大学(3位)、英国のケンブリッジ大学(2位)に比べると、さまざまな国出身の人が学び、教え、研究するという国際化という視点において、東京大学は他の世界の一流大学に比べて著しく遅れをとっているのである。
 逆に言えば、国際化さえ成し遂げれば、東京大学のランキングはぐんと上昇することになる。もちろん、大学ランキングの順位が全てではない。むしろ、このような指標は、自らの状況を映す一つの「鏡」として使うべきだろう。
 東京大学の先生とお目にかかった時、たまたま、大学ランキングが話題になることがある。その際に、しばしば見られる反応がこの所気になっている。
 「東大は、日本の中の一番の大学でいいんですよ。」
 「グローバル・スタンダードに必ずしも合わせる必要はないんじゃないですか。」
 知性も人格もすぐれた先生方の、おそらくは「本音」と思われるそのような考えを聞いていると、日本はひょっとしたら精神的にはまだ「鎖国」をしているのではないか、そんな風にも思えてくる。
 大学だけではない。産業界では、「ガラパゴス化」が憂慮されている。チャールズ・ダーウィンがビーグル号に乗って訪れ、その独自に進化した生物相に接して『進化論』を構想したガラパゴス諸島のように、他では通用しない孤立した状況に陥る現象である。


全文は「サンデー毎日」でお読みください。

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4月 30, 2010 at 02:22 午後 |