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2010/03/10

文明の星時間  青春の翻訳法

サンデー毎日連載

茂木健一郎  
『文明の星時間』 第105回  青春の翻訳法

サンデー毎日 2010年3月14日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 2008年、アメリカ大統領選挙でアフリカ系としては初めてバラク・オバマ氏が当選したことは、かけ値ねなしに素晴らしい出来事だった。
 かつて、いわれなき差別の対象となったアフリカ系のアメリカ人たち。彼らの間から、世界一の大国を指導する大統領職に就く人が現れるとは、誰が予想しただろう。
 2009年1月20日、オバマ大統領が就任式を迎えた。歴史的な瞬間を目撃しようと首都ワシントンを埋め尽くした人々の波。深く熱く広がっていた感動は、記憶に新しい。あの一日で、「アメリカ合衆国」という国に対する信頼を回復した人も、随分いたのではないか。
 あれから一年余り。内政最大の懸案である医療保険制度改革に取り組んだり、あるいは核廃絶に向けた行動を呼びかけたりといったオバマ大統領の積極的な政策は、期待を裏切らないものである。その一方で、アメリカ国内では当初の熱気が冷め、支持率が低下しているとも伝えられる。
 象徴的だったのが、1月にマサチューセッツ州で行われた連邦上院議員補欠選挙。民主党の牙城であると見なされてきたマサチューセッツ州で、共和党の候補が勝利を収めた。かつて大統領をつとめたジョン・F・ケネディ氏の弟であり、リベラル派の代表格だったエドワード・ケネディ氏の死去を受けて行われた選挙だけに、民主党の被った痛手は大きかった。
 あれほど輝かしく、希望に満ちた雰囲気の中で迎えられたオバマ氏の登場。そのわずか一年後に、熱い空気がこれほど冷え、しぼんでしまうとは。世界とは、時に残酷なものである。
 もっとも、一連の事態の推移は、オバマ氏の責任では必ずしもないだろう。事の次第は、そもそも人間が抱く「希望」というものの性質にかかわっている。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

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3月 10, 2010 at 07:33 午前 |