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2010/03/13

『その瞬間 創作の現場 ひらめきの時』 黛まどか

『その瞬間 創作の現場 ひらめきの時』 黛まどか 角川学芸出版

 黛まどかさんが、ご自分の句の中からすぐれたものを選び、その句をどのような発想したのか、背景を解説した本。俳句に関心がある人はもちろん、創造的に生きる意味について問いかける人すべてに参考となるでしょう。

さくらさくらもらふとすればのどぼとけ

句集『忘れ貝』に収められたこの句について、黛まどかさんは次のように記します。

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 私は最晩年の真砂女先生に可愛がっていただき、共著も二冊出しています。先生は少しお酒が入って機嫌がよくなると、決まってお墓の話をされました。そこには生涯添い遂げることの叶わなかった恋人のお骨が既に収められていました。
 「春になると桜並木がきれいな墓地なの。子供も孫も入れないの。彼と二人っきりで入るのよ・・・」
 京都で訃報に接した私は、真砂女先生を偲び、また自分自身の思い人を胸に、拙句を詠みました。

黛まどか『その瞬間』より
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 俳句を詠むことを、「感動の編集」だとする黛まどかさん。俳句を詠むことで、ものの見方が変わり、生きることが深化するのでしょう。

 「俳句を詠むことは、自分の深部への旅であり、その瞬間、私たちはモチーフを通して大いなる自己と出会う。それは、命(自分自身)と命(自然)の呼応であり、交歓である。鼓動する地球の瞬間を切り取り、自らも宇宙的根源につながるのである。」(「あとがき」より)

 一句一句、一頁一頁大切に読みたい本です。

『その瞬間 創作の現場 ひらめきの時』 黛まどか 角川学芸出版

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3月 13, 2010 at 10:20 午前 |