「科学」と「学習」
学研の「科学」と「学習」が4月から休刊になるという。
これまでの「科学」と「学習」の歩みを振り返る本を作る。
そのように新屋敷信美さんからメールを頂いて、学研本社にうかがった。
吉村栄一さんがいらしたので、びっくりして、「あれ、ヨッシーだったんだ」と思わず叫んだ。
「科学」の付録には、いろいろな思い出がある。
小学校の校門を出て、すぐ横の家で「科学」を受け取ると、真っ先に付録を見た。
青写真、砂鉄、ロボット、風船ロケット、シーモンキー、・・・・
当時の頁をめくっていると、子どもたちの好奇心をいかに大きな広い科学の世界につなげるかという熱意が伝わってくる。
今日では、子どもたちの学習に関する世間の関心は、すっかり、学校に入るための「受験」に絞られていってしまった。
そこからは、そもそも知性とは何か、これからの時代に必要な世界観、教養とは何かという大きなヴィジョンが失われている。
受験対策という「商売」において、いかに親たちの不安をあおってお金を儲けるかという商業主義しかそこにはない。子どもたちは、消費者、ないしは金儲けの道具になってしまっている。
これででは、国の勢いが先細りになって、経済が停滞するはずである。
昔の科学の附録に囲まれていて、日本がもっと大らかで、経済も順調に成長していて、未来を明るいと信じていたあの頃のことがよみがえった。
上手に思い出すことが必要なのである。
大好きな付録に囲まれて。学研本社にて。
新屋敷信美さんと、吉村栄一さん
2月 23, 2010 at 07:23 午前 | Permalink
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