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2010/01/26

まるで生態系のよう

 京都大学原子炉実験所に、山名元先生を訪問する。
 
 原子力発電においては、さまざまな元素の相互転換のネットワークをどのようにとらえ、循環させていくかが本質的な問題となる。

 天然のウランの約0.72%を占めるウラン235は、半減期が約7億年で、原子炉内の分裂の過程でさまざまな核種ができる。

 ウラン、プルトニウム、アメリシウムなどのさまざまな核種の間の相互遷移関係のありさまは、まるで生態系のよう。いかにそれらの性質を活かしつつ、効率的かつ安全な核燃料サイクルを構築するか。
そのような目的を支える科学的知見を探求するのが山名元さんのテーマである。

 一つの研究分野の中には、その中に深く分け入って初めておぼろげに見えてくるような頼もしくも知的刺激に富んだ課題がある。山名先生とお話した二時間のうちにも、研究哲学から実際上の機微まで、さまざまな思いもしなかったモティーフが通り過ぎていって、その感触が忘れがたかった。

 月を見上げる。どんどん成長している。昔の人は、夜ごとのその変化に目を見張ったことだろう。

1月 26, 2010 at 07:39 午前 |

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脳科学者・茂木健一郎さんの親友、 井上智陽(ちはる)さんが書いた「おいしい水彩帖」、 筆1本ではじめる楽食スケッチ。 [続きを読む]

受信: 2010/01/26 12:14:09

コメント

こんにちは

現在の原子力軽水炉では、地球上のウランを数十年で使い切りますが、高速増殖炉を使えば、7000年ぐらい持つらしいです。高速増殖炉の安全性を高める技術を日本が開発すれば、高速増殖炉で世界のシェアを持つ事ができると思います。


中国人すべてが、日本並みのエネルギー効率で、日本人並の生活をするともう一つ地球がいるぐらい資源を消費するらしいです。しかし、タクラマカン砂漠の6分の1面積を太陽電池にすると世界の電力をまかなえるらしいですから、その砂漠を全部太陽電池にすれば、全人類が日本人の生活水準で使用される電力をまかなえる事になります。

広大な計画ですが、パリティグリット(火力発電より安い価格の太陽光発電)の技術が進めば、意外と簡単かもしれませんね。(^^)

投稿: | 2010/01/27 2:39:03

茂木サン、たくさんの研究者の皆さんのご努力に
感謝しております。
医療、学術、各分野の最先端の研究や技術革新があり、私達は 快適にくらしています。

太陽の日差しの確かな春への暖かさに向かい、
夜毎に 満月に向かう凛とした月。

すべての命あるもの、形あるものに 慈愛の光が降り注ぎ増すように。

投稿: | 2010/01/26 23:59:48

英文の日記、幸せの方程式は簡素化できる…とは、どぉんな事が書いてあるんですか?o(^-^)o

私も空を見上げます。この時期、空気が澄んでいて星も綺麗に見えるから☆今宵も月が綺麗でした(*^_^*)

投稿: | 2010/01/26 21:44:25

茂木先生、お久しぶりです。

実は少しの間、我が家のPCが“旅”に出ていました。

ウェブにアクセスせずに、ネットと殆ど関わらない日々を過ごしていました。

ライフワーク(などという気取ったものではないが)のイラストを手書きしてみたり、今まで読まなかったジャンルの本を読んでみたり・・・。

お陰で、生身の人間としての感覚が、いくらか取り戻せたような気がしています。

きょうは仕事の帰りが遅くなりましたが、月はいよいよ、上弦になりつつあるようです。

ひとつの研究テーマを掘り下げていく時に味わう知的刺激・・・それは、冒険家たちが、すでに開発された地でいまだ見ぬすばらしい宝物を掘り当てた時の、全身が震えるほどの驚きと喜びに、とても似ている。

研究者たちは、常にさまざまな世界を探検し、未知を発見しようと眼を輝かせて冒険しつづけるハンターのような存在なのかもしれない。

茂木先生は脳と心の関係問題という、いわば未だ謎に満ち満ちた密林のような分野に、あらゆる方面から挑みかかられる、この世でもっとも勇敢なる知の冒険家のお一人であると、私は思う。

何時の日にか、茂木先生をはじめ、勇敢なる知の冒険に挑む研究者の皆様の命がけの努力が報われる時がやってくるに違いない。

投稿: | 2010/01/26 21:05:07

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