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2010/01/23

電子出版の動き

 新潮社で仕事。それから、Brusselsで話をした。北本壮さん、葛岡晃さん、金寿喚さんといったおなじみの顔ぶれ。 

 話題の一つが、電子出版の動きだった。Amazon KindleやSony e-book reader, 発表間近のAppleのtabletなど、ここのところ電子的に本を配信し、読む動きが加速化している。

 出版の未来はどうなるのか。私が心から尊敬する編集の方々の顔を眺めながら、この人たちの役割がなくなることはないだろうと思った。

  本は、ただ自分一人で書けば良いというものではない。企画をどう立てるか。客観的に見て、どのような文脈にそれは入っていくのか。内容に誤りはないか。著者と編集者がさまざまなやりとりをする中で、初めて本が形をなしていく。

 著者だけだと、どうしてもモノローグになる。もちろん、理念的には、熟達した著者が編集者の役割も自ら兼ねて仕事をしていくということは考えられるが、それは少数派に留まるだろう。

 例えば、「校閲」の仕事一つをとっても、新潮社のプロの力量には驚くべきものがあり、それと同じことを著者が単独でやるのは不可能だ。

 本を作るということは、つまりは「ものづくり」の側面がある。質を高めるためにも、editorialの仕事は消えることがないだろう。

 むしろ、激変するのは流通の方ではないか。

 吉村栄一さんは、ニューヨークにオノヨーコさんのコンサートを独自取材に行くそうです。

 注文に応じて関連記事を書くそうなので、興味がある新聞、雑誌、ウェブ媒体等の編集の方は、吉村さんにご連絡ください!


なかよし。金寿喚さんとBrusselsにて。吉村栄一さん撮影。

1月 23, 2010 at 10:18 午前 |

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コメント

 電子辞書を使う高校生が増えています。英語の学習にも電子辞書は便利なのですが、便利だからかえって学力がつかなくなるという皮肉な結果になりそうです。活字(印刷もの)と違って、じっくり考えながら行間を読み取っていくことができません。
 だいたい、教育までが思考よりスピードを要求しているのです。先週実施されたセンター試験の英語問題を見てください。所定時間内にあれだけの分量をやらされるんですから、日本の普通の高校生には考えている暇がないのです。(考えていた生徒は最後の読解問題まで到達できませんでした。)
 いま、手軽な便利さのなかで、ゆったりとした思考(考える幸せ)が失われていると思います。

投稿: ゆ~ | 2010/01/24 15:06:06

こんにちは

海外では、発言(本を書く)が、その人の個人の発言と言うメタ的要素を持っているが、日本では、公(おおやけ)に対しての発言、または公の発言になるメタ的要素があるため、著者を客観的に見る編集者が必要なのでは?(^^)

投稿: 編集者のクオリアby片上泰助(^^) | 2010/01/24 3:36:50

前に、2007年の終わりから2008年のはじめの時期に、たしか東京都写真美術館で「文学の触覚」という展示があって、あれは別に電子書籍を意識してやったのではなかったかのかもしれませんが、本当に良いヒントが隠れていた気がします。

プロジェクター 投影機 陰絵 残像

少し銀閣寺

投稿: tori | 2010/01/23 23:41:08

世界は変化していますね!
インターネットや携帯電話がある時期から急速に普及したように、電子書籍もそろそろ普及しだすかもしれません。
流通や販売、在庫管理、製紙業界は変化を余儀なくされますね。アメリカでも新聞社が有料のネット配信制に切り替えだしたと聴きました。
でもまだ紙→電子書籍化の普及は5年~10年はかかりそうですし、紙の本はかなり長いスパンでなくならないと思います。ページに書き込みができますし、本よんでる実感がありますし♪(電子書籍ってなんだかフワフワした読後感なのはわたしだけ?本は装丁デザイン含めても一個の芸術品だと思います)
出版社も編集者の方もなくならないと思います♪
本を作るって編集者と著作者の共同のお仕事なんだなぁって、茂木サンのブログで勉強になりました。だから編集者も記者も作家も「なくならない」です。危機があるとしたら、若者の活字離れかな~???
時代の変化は激しいですね。
大変と言えば大変ですが、木村秋則さんみたいに大地と共生してる方は、しなやか強いと思います。

投稿: 眠り猫2 | 2010/01/23 19:36:00

茂木健一郎様
ご活躍を心からうれしく思います。
新潮社 開発部電子メディア事業室 室長は
友人です。歌舞伎、能については、
心酔プロフェッショナル級に知っております。

投稿: Yoshiko.T | 2010/01/23 10:33:23

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