いかにして人間をつくるか
『プロフェッショナル 仕事の流儀』の収録に、香川県の観音寺で定時制高校の先生をされている岡田倫代さんがいらした。
自分に自信が持てない、自己肯定感の低い子どもたちがいるという。「私なんてどうせ」「ぼくなんか」と言う子が多いのだという。そのような子どもたちに、どうやって自己肯定感を持たせるか、それがまず最初の仕事なのだという。
ぼくは思った。自己肯定感がなく生まれてくる人間など、一人もいない。子どもたちは、自分はできる、チャレンジしようという根拠なき自信を持っている。
そんな子どもたちが、小学校、中学校と通ううちに、いつしか「ぼくはダメだ」「私なんて」となっていくとすれば、それは本人たちのせいではなく、教育システムの失敗と言えよう。
人間ができれば、勉強は後からついてくると岡田さんは言われる。その通りだろう。やる気さえあれば、勉強するための素材は、もはやインターネット上に無料であふれている。これからの教育における目標は、放っておいても自分で勉強し続ける人をつくることではないか。
学術情報は、もはや無料でころがっている。問題は、それに向かう人間力である。そして、人間をつくることができるのは、人間だけである。
いかにして人間をつくるか。これは、生身の人間がかかわるしかない。岡田さんの話をうかがって、「教師は聖職である」という言葉を実感をもって噛みしめた。
「必ず観音寺にうかがいます!」
岡田さんと再会を約した。
1月 29, 2010 at 07:26 午前 | Permalink
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コメント
ふと思ったんだが、「歪な自分」を良しとしない事こそが、自己否定であるのではないかと思った。う~ん…これがメタ認知というものなのか?…
投稿: 岡島 義治 | 2010/02/06 9:58:14
はじめまして。私は観音寺市(岡田先生のお膝元)で彼女の人間力に惚れ、事あるごとに教えを仰ぎながら青少年の相談業務に携わる者です。
岡田先生の魅力は私が一番知っていると自負しておりましたが、このブログを読んで体中が脳みそになったような言葉にならない衝撃がありました。なんと核心をついて先生の人となりを見ていらっしゃるのか‥
彼女は常に自分の立ち位置と対象がぶれず、見ている先は、子どもたちが『人として人の中で活きる幸せ〜私にしかない人間力に私が気づき自信を持って生きる姿〜』です。
忙しい中で、公私に渡る私の悩みにも柔らかい笑顔と声音で「そうなんや〜」「えらい(大変や)なあ〜」「よう頑張っとるやん〜」「大丈夫やわ」と一つひとつ丁寧に返してくれる先生には本当に神力に近い人間力(パワー)を感じます。
是非、本気で観音寺にいらしてください。派手さはないけど素敵なまちです。
投稿: やまびこ | 2010/02/02 12:04:34
はじめまして。私は観音寺市(岡田先生のお膝元)で彼女の人間力に惚れ、事あるごとに教えを仰ぎながら青少年の相談業務に携わる者です。
岡田先生の魅力は私が一番知っていると自負しておりましたが、このブログを読んで体中が脳みそになったような言葉にならない衝撃がありました。なんと核心をついて先生の人となりを見ていらっしゃるのか‥
彼女は常に自分の立ち位置と対象がぶれず、見ている先は、子どもたちが『人として人の中で活きる幸せ〜私にしかない人間力に私が気づき自信を持って生きる姿〜』です。
忙しい中で、公私に渡る私の悩みにも柔らかい笑顔と声音で「そうなんや〜」「えらい(大変や)なあ〜」「よう頑張っとるやん〜」「大丈夫やわ」と一つひとつ丁寧に返してくれる先生には本当に神力に近い人間力(パワー)を感じます。
是非、本気で観音寺にいらしてください。派手さはないけど素敵なまちです。
投稿: やまびこ | 2010/02/02 12:03:35
茂木さん、Hello(^-^)また、たまに遊びにきてもいいですか?!関係ない事ですがm(__)mDVD感動しました♪(^-^)yところで、茂木さん♪いつも本当にありがとうございます♪(^-^)y色々手書きとかしてるとわかってくる事まだわからない事とかありますね♪色々まだ話したいですがまたあとで(^.^)(^3^)
♪それでは、茂木さんまた今度です。
投稿: 水饅頭 | 2010/01/30 11:50:47
こんにちは
その人が、自己肯定される、モノ、こと、環境、人に出会うのは、茂木さんの言う、偶有性があるのではないでしょうか?(^^)
また、自己肯定と他者肯定のうまい人が、今の現在に必要ではないでしょうか?。「あの人が出来るなら自分が出来る。」、「この部分が君のすばらしい所。」など。岡田さんみたいな人が企業に一人ぐらいは必要なのでは?(^^)
投稿: 自己肯定のクオリアby片上泰助(^^) | 2010/01/30 4:24:40
こんばんは 茂木サン 。脳が(心が)未熟な時の 傷を癒やす事は 難しいですね。
身体の傷と違い 外からは 分かりにくいから。
ご本人の辛さが伝われば、 周りの家族や友人もきっと力になってくれるはず。
「私、今辛いの…」と打ち明けられたら、きっと楽になると 思います。
支えていらっしゃる先生は、きっと底抜けに 明るい、 人の痛みが分かる方ですね。
想像力がある人は、相手を思いやれるし、
利他的な気持ちを持つのは 幼少期の 家族の教えに有るのかもしれませんね。
投稿: サラリン | 2010/01/30 0:44:12
いろんな事情で、自己肯定感を失っても、生きていて良かったと思える瞬間…あるのかな…??
と、ふと思ってみたり。いや、私は絶対あると信じるゾ!p(^^)q
無意識→意識化に。
そうすると…近くへ近くへ。
偶然…私は好きですよ☆ほんとぅの偶然も好きですが(*⌒▽⌒*)
投稿: 奏。 | 2010/01/29 23:15:50
私も香川県のお寺には何回か行ったけど、もう、どこだったか名前も忘れてしまいました。善通寺は覚えていますけど。 うちのお坊ちゃんも少しお疲れの様子。できないことをつつかれて、教育って学校ってなんだろうといつも考えています。人間って使命があると思うんですよね。よく考えてみたら、先生しか理解してくれる人はいなかったです。
投稿: 暴れん坊 ママ | 2010/01/29 23:01:12
医師曰く、僕は自己否定の傾向が強いのだそうな。
僕の代わりなど幾らでもいる。
僕がやらなくとも誰かがやる。
僕の存在の有無は世界に何の影響ももたらさない。
バタフライ効果の対象にすらなれなどしない。
僕が、現代に掛け替えの無い存在として記録される、偉人達を目指すのは、その抗いなのだ。
逆に、僕を否定する者、僕が僕を否定する事を止めてしまえば、僕の野心は熱を失ってしまうのではないか?
科学は抗いの為の道具。そこに好奇心はあるのか?科学を愛しているのか?少なくとも、純粋な科学者にはなれない。
僕は…歪なのだ。
投稿: cosmosこと岡島義治 | 2010/01/29 22:57:27
人間をつくるのは結局人間・・・。荒廃ぶりが毎度のように伝えられる、今の教育界の現状がニュース等で報じられるたびに、自分は無意識に近いあたりの意識の底辺で感じている。
「俺なんてどうせだめさ」「私なんてどうせ最低よ」などと自己肯定感の低さを指摘されている今の若い世代だが、茂木さんの言われる通り、初めから自己を否定されて生まれくる者は、一人としていない。
今の日本の教育システムというのは、本物の「人間」を育てず、大人の言うがままに動く「ロボット」を量産するシステムに、いつのまにかなっている。これが少年少女たちの自己肯定感を殺ぎ落とし、自分自身を否定し続け、若くして「心老いたる」生ける屍(これはちと言い過ぎたか)にしてしまうのだろう。
いまやインターネットを初め、あらゆるところに学びの素は転がっている。それを見つけ出し、貪欲に学び、個々の人間としての資質に磨きをかけようとする人間力のある人を、何としても生み出していかなくてはならない。
そのためには、教育の世界に携わる人々は、今までの教育システムの失敗を謙虚に反省し、そこから新しいシステム構築のために、再出発しなくてはいけない・・・と痛感する。
「ロボット」ではなく本当の「人間」を生み育てる教育を、今から日本は構築しなくてはいけない。
茂木先生、御体調が優れないそうですが、その後は大丈夫ですか?
寒さと暖かさを繰り返す今日この頃、一日も早く御健康になられることを願っております。
投稿: 銀鏡反応 | 2010/01/29 20:48:44
茂木ぃ先生、おこんばんは!(・ω・)/ 日一日と春が近付いてきますね

教育ってしっかり受けたことないですけど(社交下手野育ち猫なもので~いつも無作法で申し訳ないデス)でも誉められると嬉しいですよね♪
知識を与え続けるのではなく、その子の独創的な「自発性」や「何故?!」を育む先生が、素晴らしい先生かも知れません♪この子はこうだって決めつける先生は、子どもの可能性を潰すけど、決めつけない先生は可能性を伸ばすと思います。そう、自然環境だって、海外生活だってもの言わぬ「先生」だと思います♪
「教育とは結局他人からしてもらうことではない。自分が自分にすることである」遠藤周作
って、遠藤周作さんは名言の宝庫ですね♪一生の独学を楽しいと思える所まで引き上げるのが先生の役割かも?
勉強といえば「独学という道もある」(柳川範之氏著/ちくまプリマー新書)面白かったです!
柳川氏は海外生活をしながら高校は行かずに大検→慶応大通信教育部→東大大学院→現在は東大准教授(経済学)という意志の強い、凄い方です。ぜひ読んでみて下さいね♪
ではまた~(^-^)ノ~~
投稿: 眠り猫2 | 2010/01/29 18:37:49
ヨーロッパには 12年生の学校があり、
担任の教師は 一人の方が受け持ちます。
12年生の時は 全ての生徒がオーケストラの何かを担当し
卒業劇に取り組みます。
劇の配役は、あえて苦手・生徒と反対の性格
主役をいつも目立たない子に等、教育的意図があったりするそうです。
舞台装置なども それぞれ専門の先生がご指導下さるそうです。
低学年から 心を使うことも必要とされ
尊敬していた教師にも しっかり反抗し
その学校の卒業生は 友達のこと自分のことを
認め合える関係になるそうです。
ちょっと 羨ましい。
皆、自分を大切にして欲しい。甘ったれるのとは 違うけれど。
投稿: ちぐさ | 2010/01/29 12:45:57